ジャーマントレーナー(german trainer)。
普遍的なデザインから多くのブランドにて復刻され、さまざまな商品が展開されている名品である。

では、そもそもジャーマントレーナー(german trainer)とは?
どのようなスニーカーなのだろうか。
その種類やデザイン、展開されている各ブランドによる復刻版(レプリカ)に触れながら確認していく事にする。
ジャーマントレーナー(german trainer)とは?
ジャーマントレーナー(german trainer)とは?
ジャーマントレーナー(german trainer)は1970年代から80年代にかけて、西ドイツ軍によって使用されていた訓練靴の事。
だから呼び名がジャーマントレーナー。
ドイツ軍のトレーニングシューズというあたりまえの名前がつけられている。
ジャーマントレーナー(german trainer)の特徴とデザイン
ジャーマントレーナーの特徴とデザインについてもみていこう。

全体像。
ミリタリースニーカーらしいシンプルデザインである。
もともとが軍の訓練用スニーカーである為、余計なデザインや装飾はなし。
それが良い。
かといって、地味かいえばそうではなく、必要最低限のデザイン性、機能美を凝縮したようなスニーカーなのがよくわかる。
革と他素材とのコントラストもきれいで、スウェードの切り返しや茶のガムソールの適度な主張がたまらない。
控えめながらしっかりとした存在感が素晴らしい。
普通に見えて普通じゃない希少なシンプルスニーカーがここにあった。
ジャーマントレーナー(german trainer)の種類
続いてはジャーマントレーナー(german trainer)の種類について。
このジャーマントレーナーと呼ばれるシューズ、いくつかの種類がオリジナルとして存在している。
主な種類としては3種類。くわしくみていこう。
ホワイト(白)の屋内用ジャーマントレーナー
まず一種類目は、ホワイト(白)レザーアッパーにブラウンのガムソールが配されたジャーマントレーナー。
もっともよく知られているジャーマントレーナーがこちらのタイプだろう。
このホワイト(白)のジャーマントレーナーはドイツ軍の訓練シューズのなかでも「屋内訓練用」に該当するもの。
加えて「訓練生」に向けて支給されていたものとなる。
そう、ジャーマントレーナーのオリジナルはもともと用途により種類分けがされておりわけられており、「訓練生」仕様のためもっとも球数が多いのがこのホワイトとなる。
※とはいってもオリジナルは非常に数も少ないため十分に希少
ホワイト(白)スニーカーのおすすめなどでも頻繁に紹介される定番のかたちがこの訓練生用ジャーマントレーナーとなる。
ブラック(黒)の屋内教官(指導員)用ジャーマントレーナー
続いてはブラック(黒色)のジャーマントレーナー。
おそらくは白(ホワイト)のジャーマントレーナーの次に見覚えがあるだろう種類がこちら。
※オリジナルは非常に希少性が高いためほとんどは復刻版(レプリカ)のもの
このブラック(黒色)のジャーマントレーナーは、屋内用かつ「教官用(指導員)」のものである。
訓練生と教官の数を考えれば当然となるがホワイト(白)のジャーマントレーナーと比べ当数は圧倒的に少なく激レア。
オリジナルを見つけるのは非常に困難で、マイサイズで探すなどと言っても目にするのすら難しいだろう。
その為、後述する復刻版(レプリカ)、各ブランドごとにアレンジされたものが商品化されているものの中から選ぶのが良いと考える。
ブラック(黒色)レザーにガムソールの落ち着いた配色はコーディネートにもすんなり馴染み、非常に使いやすい。
ネイビー(紺色)の屋外用ジャーマントレーナー
そして、3種類目がネイビー(紺色)にブルーのコンビが目を引くジャーマントレーナー。
こちらこそが屋外用訓練用のジャーマントレーナー。
デザインに関しては先に紹介したガムソールのタイプとは異なり、後部を巻き上げた凹凸ソールが特徴的。
どこか、マラソントレイル系スニーカーに通ずるものを感じさせる。
スパルウォートのマラソントレイル

もちろんこちらもオリジナルをみつける事は困難。
見かけただけでも非常にラッキーと考えて良いだろう。
以上の3種類がジャーマントレーナー(german trainer)の主なオリジナルデザイン。
このように屋内訓練生用のホワイト(白色)と屋内教官(指導員)用のブラック(黒色)。
それに屋外訓練用のネイビー(紺色)にはっきりと分類されていた。
ジャーマントレーナー(german trainer)のブランドと復刻版(レプリカ)
ジャーマントレーナー(german trainer)はそのシンプルで洗練されたデザインにより、現代の様々なブランドよりオリジナル製品や復刻版(レプリカ)としてリリースされている。

有名なところではMaison Margiela(メゾンマルジェラ)やディオールオム(Dior homme)などのハイブランド。
軍もの(ミリタリー)由来の洗練されたデザインソースを使い、各メーカーならではのオリジナルジャーマントレーナーが展開されている。
その他にはオリジナルに忠実ないわゆる復刻版(レプリカ)を中心にリリースしているブランド(メーカー)も多数あり、選択肢はとても広い。
それでは各ブランドごとに違うジャーマントレーナーの特徴や関係についても確認していこう。
アディダス(adidas)プーマ(puma)ジャーマントレーナーとオリジナルの関係性とBW ARMY(アーミー)
まずは、ジャーマントレーナーと深い関係があったであろうアディダス(adidas)とプーマ(PUMA)について。
実は、ジャーマントレーナーのオリジナルが使用されていた当時、アディダスとプーマが現物支給していたと言われている。
アディダスでは実際に1970年代にドイツ軍の為スニーカーを大量生産していた事からも裏付けがあるといえるだろう。
確かに、展開されている両社スニーカーがジャーマントレーナーに通づる部分があるのは気のせいでは無いと感じている。
例を出すとすればアディダスならガゼル gazeiie(ガッツレー)やサンバ(SAMBA)、プーマであればパレルモ(PALERMO)あたりは非常に似た雰囲気をもっている。
アディダスのガゼル(gazelle)

そして何よりも、アディダス(adidas)では現行モデルとしてのジャーマントレーナー(german trainer)が存在する。
名称としてはBW ARMY(アーミー)。
各社ならではの解釈やオリジナリティの付与などはあるが、アディダス自体がジャーマントレーナーの復刻版(レプリカ)を出している事に大きな意味があると考えている。
ジャーマントレーナーの特色としてはハイブランドからの展開。
通常ハイブランドとしてはスポーティかつカジュアル色のつよすぎるスニーカーは敬遠されやすい。しかし、このジャーマントレーナーはひと目見てわかるミニマルデザイン。
ここにもジャーマントレーナーのデザイン性の高さと懐の深さが現れているといえよう。
メゾンマルジェラ(Maison Margiela )
ジャーマントレーナー(german trainer)を展開している代表的なハイブランドとしては、Maison Margiela (メゾン・マルジェラ)があげられる。
マルジェラは1988年にパリにて設立。2015年にはメゾンマルタンマルジェラから現在のメゾンマルジェラ(Maison Margiela)に改名。
デザインはもちろん、衣服に対するコンセプト、構築、ショースタイルなど歴史的にも重要な位置を占める世界的なブランドとなっている。
メゾンマルジェラのジャーマントレーナーは非常に評価も高く、マルジェラのスニーカーといえばこのREPLICA SNEAKESを思い浮かべる方も多いだろう。
オリジナルの洗練されたデザインを踏襲しつつ、ブランドらしく上品に加飾されたつくりは熱狂的ファンも多い。
カラーを変えるのはもちろんガムソールベースや、屋外用のトレイルベースのデザインなどバリエーションも多岐に渡る。
足袋から着想を得たジャーマントレーナーも存在し、個性的ながら支持のある一品。ハイブランドならではのアプローチがここにある。
ディオールオム(Dior homme)
ディオール・オムは、クリスチャン・ディオールのメンズラインとしてはじまったブランド。
ディオールのジャーマントレーナーといえば、屋内用白ベースに黒ラインが特徴のシンプルなモデルが代表的。
原型がミニマルデザインゆえに多少の装飾がともなってもバランスが損なわれることはない。
モード、クラシカルな雰囲気ともマッチングが良いのがこのジャーマントレーナー。
タナカユニバーサル
続いては、ハイブランドの解釈と真逆といってよい忠実な復刻版(レプリカ)モデルを展開する、タナカユニバーサルのジャーマントレーナー。
タナカユニバーサルは1942年に創業した日本の靴卸のメーカー。
倒産したスロバキアの工場から現地の機械を譲り受け、当時の技術でジャーマントレーナーを復刻している。
1994年に廃版となったジャーマントレーナーを世界で初めて復刻したのがこのタナカユニバーサルでありその意義は大きい。
装飾性を廃したオリジナルに近いつくり。
スロバキア製スニーカーらしいシンプルながらほどよい主張、機能美がここにある。
本革アッパーは、履きこむうち経年変化を楽しむことができ、スウェード部の退色とともに絶妙のコントラストを見せる。
じっくり履きこみたくなる一足。
リプロダクションオブファウンド(REPRODUCTION OF FOUND)
こちらのジャーマントレーナーはライニングもレザー。
オリジナルを再現しながらも上質にアップデートされている。
リプロダクションオブファウンドのジャーマントレーナーについて

合皮のジャーマントレーナー
ジャーマントレーナー(german trainer)には合皮(PUレザーやPVCレザー)を採用したモデルも多数存在する。
しかし、正直いって積極的におすすめする事はない。
質感がレザーのそれと比べ見劣りする為であり、加えて、履きこむことによる経年変化が楽しめない点もある為である。
それでもコスト面では安価な所、ブランドや種類によっては見栄えが優れたモデルの場合もあるため状況によっては最適解になる事もあるだろう。
まとめ
以上、ジャーマントレーナー(german trainer)について。
種類・デザインと各ブランドによる復刻版(レプリカ)の特徴について触れながらジャーマントレーナーとはどんなものか、確認を進めてきた。
オリジナルの3種類と各ブランドごとに展開されているジャーマントレーナー(german trainer)。
機能美の集合といえるミニマル、シンプルなデザイン。
軍もの(ミリタリー)由来のスニーカーならではの削ぎ落とされたディテールも魅力的。
さあ、あなたはどのジャーマントレーナーを履くのだろう?
選択肢は多分にある。





































