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ファーストウォッシュまでのジーンズの穿き込み
デニムを自分好みの良い色落ちにするためには色々な穿き方がある。
その中でも特に重要とされているのがファーストウォッシュ(初洗濯)までの穿き込み。
a.p.c(アーペーセー)のデニムの場合基本穿く前に糊は落とさない。
そもそも「極力洗わない」を推奨している極端なブランドである。
ジーンズ購入時に付くフラッシャー風説明文にもその旨の記載がある。
デニムの洗い方
過激主義 出来るかぎりジーンズを洗わずに履き続け、初回洗いはドライクリーニングで、2回目以降の洗いは、WOOLITE NOIR(濃色製品用洗剤)を少量混ぜた水にジーンズを1時間程浸けておき、すすぎ、バスタオルで包んで干す。
セミ過激主義 WOOLITE NOIR(濃色製品用洗剤)を混ぜた水にジーンズを1時間程浸けておき、こすらずにすすぎと脱水をし、干す。
洗濯機 WOOLITE NOIR(濃色製品用洗剤)を使い、メニュー:常温水、デリケート洗い、脱水無し。
海水 出来る限りジーンズを洗わずに履き続け、ジーンズを履いたまま海に入る。乾いた砂でこする。これを何度か繰り返す。水ですすぎ、太陽に当てて乾かす。
デニム(ジーンズ)を海水で洗う?
海水で洗う文言は冗談だろうか?
いや本気かもしれない。
塩水はデニムの退色を抑え無用に色落ちしてしまうのを防ぐ。
だからただの冗談ではない。
実際にやる人はごく稀だろうが。
その他の説明も見る限り「出来る限り洗うな」要約するとそう書いてある。
デニムに詳しい方にしてみれば「なんだこれ?」と挑戦にも取れるデニムの洗い方と指針。
独特の世界観である。
a.p.c デニムは糊落としをしない
一般的なリジットデニムであれば穿く前に糊落としの洗いをかけ縮みが出る物に関しては出来る限り縮ませる事が多い。
何故なら、そうすることで裾上げ時に適正なレングスを確保、穿き込みの途中で無用に縮むことも防ぐ事ができるから。
糊がついたままのデニムは固い。折り返しや極端な負荷により生地が切れてしまう事もあるが穿き始めに洗う事で事態を防ぐ事ができる。
しかし、
アーペーセーのデニムは穿き始めに洗わない。
※ もちろん糊落とししてから穿く方もいる。メーカーの指針と自分の趣向、他ブランドとの差別化を加味し、この方向で話をしている。
アーペーセーのデニムを穿き始めに洗わない理由について
これは以下の点を優先しているからと考える。
濃淡のある色落ち→ 糊が効いている間、しっかり擦れた部分しか色は落ちない。色が落ちるというより、擦れた部分のみが削れていくイメージ。
これにより、濃い部分と色落ちした部分の差はどんどん開いていく。これが「デニムはできるだけ洗わない」のねらいであり、正体である。
もちろん洗った方が生地に良い等、様々な要素は絡んでくる。しかし、濃淡がはっきりつくのは、糊すら落とさずファーストウォッシュまでとにかく長く穿き続ける事。
これを優先している。
ヒゲ、ハチノスなどのシワ→ 糊が効いている状態のデニムは非常に固い。固いデニム地にはクッキリとシワがつき、ヒゲもハチノスも入ってくる。
シワが深ければ前述した濃淡のある色落ちにも影響するし、デニムの表情に雰囲気が加わる。バキバキに固い穿き心地はデニム好きには本当にたまらないもので、深いシワをつける事が出来る貴重なタイミング。
以上、メリハリ重視の方向性。
ジーンズの穿き方としては特殊な部類かもしれない。だからこそa.p.c(アーペーセー)デニムは熱狂的な支持者も多い。
かくいう自分もプレーンで色落ちが良いデニムを探していただけなのだが、今ではすっかりとハマっている。
a.p.c(アーペーセー)プチスタンダードの特徴
以前としてノンウォッシュのまま穿き続けている自分のアーペーセージーンズ。
では800時間目の進捗について見ていこう。
前回までの色落ち
プチスタンダード(プチスタ) 穿きこみ800時間目
ジーンズ:a.p.cプチスタンダード(プチスタ)
着用時間:800時間
洗濯:未洗い(ノンウォッシュ)
着用環境:ロールアップ穿き・室内、室外半々
他のパンツとともにローテーションし、穿いているため週2回程度の着用。1日10時間の計算として月に100時間届かない程度。ゆっくり着実に育てている。
少しずつインディゴらしい風合いに。前回から比べるとさらに全体が青くなってきている。
ヒゲの色落ち。プチスタンダードとプチニュースタンダード(略称プチニュー)の違いに股上の深さがある。プチスタは浅くプチニューは深い。ヒゲは明確に入ってきている。
ヒゲの出方。タイトに穿けば穿くほど真っ直ぐ横にヒゲが入っていくのがわかる。ゆったり気味に穿くとヒゲは斜めに入りやすい。
前回から最も色落ちが進んだのはここであろう。濃淡にも期待できそうだ。
そろそろ股の部分の擦り切れにも注意したい所、ここが強く擦れて穴が空くプチスタ(アーペーセー)ユーザーも多い。色落ちさせたいがダメージは避けたい。なんともワガママな話である。
ハチノス。流石に固さは無くなってきている。
穿き始めは屈伸などとてもできる状態では無かった。だが、今ではすっかり可能。デニム自体が伸びてくるため少しづつ腰パンになったりでわずかにハチノスのアタリが前後(上下)している。パッと見でわかるほどではないが。
膝部。ハチノスの延長で深いシワが繋がっている。ここはしっかり落としていきたい所。膝は出てきているがこの際気にしない。
裾部。ロールアップ部は相変わらず折り返し箇所を都度変えてダメージにならないように。たるませて穿く人も多いが個人的には好みのロールアップで穿いていく。
バック。そこまで落ちていない。ポケット周りや臀部、ここも最終的に穴が空きやすい。極端な擦れに少しだけ注意。
正直まだ洗わずに穿き込みたい。幸い毎日の着用ではないため、一度穿いたらしっかり風を通し除菌スプレー等でしのいでいる。
そう、もはや洗わずにどこまで穿けるかすら楽しんでいる。
そう、穿き込みはまだ始まったばかりなのだ。
まだ洗わない。生デニムを愉しむ。
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