サンダースの靴と歴史
Sanders(サンダース)→サンダースは1873年にウィリアムサンダースとトーマスサンダースの兄弟によりラシュデンにて設立。
イギリス国防総省(MOD)向けに供給されるレザーシューズ(UK製)のほとんどがサンダースの製品で、約135年の歴史を持つ。
A.P.Cやギーブス&ホークス、ラルフローレンなどのブランドへのOEMも行うノーザンプトンの実力メーカー。
ミリタリーダービーシューズはそのサンダースの代表作。
ミリタリーダービー(military derby)の特徴
では、その英国老舗サンダースが誇る名品、ミリタリーダービーの特徴について。
さっそく確認していこう。
丸みを帯びたフォルム
シンプル、キレイなルックスながら丸みを帯びたフォルム。
この少しポッテリとしたかたちがミリタリーダービーの最大の特徴。コバの張り出しもそのままにドレス感と無骨さが共存した均整の取れたシルエット。
カジュアルにドレスに万能的に扱えるのにはこのフォルムがあるからである。
トリプルステッチ
続いての特徴がトレードマークであるトゥの3本ステッチ。
このトリプルステッチはイギリス軍のブロードアローに見られる陸海空を表現しているもの。
この投稿をInstagramで見る
このアクセントがただのストレートチップとの差別化を成し、デニムなどのラフなアイテムともマッチさせる。
ジーンズに革靴
単なるストレートチップだとカジュアル使いにおいて馴染みづらいもの。
しかし、独特のステッチングやフォルム、外羽根仕様があいまって、適度なカジュアルダウンが図られている。
ロイヤルワラント
ヒール内側にはエリザベス女王のクラウンの刻印がきざまれている。
これはロイヤルワラントと呼ばれ、英国御用達を意味する王室から商品やサービス認められて得られる称号。他にも様々なブランドがこの称号を授けられているがサンダースもそのひとつ。
オイルドジャケットで有名なバブアーもワラントを取得ブランド
さりげない刻印がじつにシック。実用性を備えながら上品なたたずまいはこういったバックグラウンドからもよく分かる。
ポリッシュドレザー
ツヤのある表面は、カーフにウレタンコーティングされたポリッシュドレザー。
この仕様はもともとはコードバンの代用としてはじまっている。
樹脂コーティングによるつよい光沢と深く入る履きジワが特徴。
コードバンとの大きな違いとしては、水に強く傷ががつきづらい所。
その為手入れが最低限で済み、雨の日も遠慮せず履く事ができる。
比較的安価で手に入るのも嬉しい。コードバンの革靴は非常に格好良いが、メンテナンスに気を使うし、非常に高価。
使い始めの方が全体に渡りピカピカで、履き込むに従い部分的に光沢が落ち着いていくイメージ。
普段は履くごとにブラシでホコリを払い乾いた布で乾拭きをする程度で十分。
クリームの使用については「樹脂コーティングされている為意味がない」といった意見もあるが、シワやコーティングの隙間から浸透すると考えられており、メンテナンスとしては有効。
浸透の兼ね合いでコードバン用のクリームを使用すると馴染みが良い。
光沢を保ちポリッシュドレザー特有のエイジングを楽しんでいきたい。
コマンドソール
ミリタリーダービーは英国ITSHIDEのコマンドソールを使用している。
このソールの最大の特徴はとにかく頑丈な所。
履きはじめは特に硬く慣れが必要だが長期にわたり使う事ができる。
それもそのはずもともとは登山靴のソールとして採用されていたものでその高い性能からイギリス陸軍軍用靴のソールとしても使われるようになったもの。
1年以上使用しているかかと。確かにすり減る気がしない。
「ソール交換なしで10年もつ」とも言われている。もちろん履き方によるのだろうが手入れ無精のひとりとしてはありがたい所である。
サンダースミリタリーダービー使った着こなしとコーディネート
キレイなスタイルにもカジュアルな普段使いにも便利なサンダースのミリタリーダービー。
ダブルモンクのカジュアル使いについてはこちら
実際の着こなしとコーディネートについてもじっくり見ていこう。
ビジネススタイルでの着こなし
ガチガチにかたいドレスコードが求められる職場であればこのミリタリーダービーは適さない。
前述したようにフォルムは丸く、ステッチやコバのはりだしが効いておりカジュアル側に寄せたつくりとなっているからである。
もっとも力を発揮するのがビジネスカジュアルスタイル。
ビジネスカジュアルについて
かっちりのスーツスタイルから少しばかりくずしの入ったスタイリングにこそマッチする。
ジャケパン、くるぶし見せカジュアルに寄せた分ダービーシューズが馴染む。
チノパンでのキレイなスタイルやカジュアル素材を使用したスーツのコーディネートにも使えるだろう。
カジュアルスタイルでの着こなし
カジュアル使いでの革靴といえばまずデニムが思い浮かぶ。
自分もよく使う組み合わせでサンダースはジーンズとの相性が非常に良い。
スリムタイプのデニムを適当にロールアップし着くずしている。スニーカーであればラフになりすぎる場面でも革靴ならば小綺麗にまとまる。
ニットとコットンパンツにサンダース。
上品な組み合わせにも柔軟に溶け込む。
そんな靴。
ミリタリーダービーを使うことでキレイすぎない絶妙なコーディネートでまとめることができる。
以上のように非常に幅広く組み合わせることが可能。
キレイすぎるものをカジュアルにみせ、ラフすぎるものを上品に見せる。
ミリタリーブーツについてはこちら
サンダースのミリタリーダービー。じっくりと履き込んでいこう。