ローゲージニット。
見た目にもあたたかい冬の必携アイテム。
今回は季節感あるざっくり編み、ローゲージニットについて。自分が購入する際あまりに種類やブランドも多く、選ぶのにとても苦戦した。
その種類やブランド、それぞれの特徴についても詳しく確認していこう。
ローゲージニット(セーター)の種類について
ローゲージニットとは?
そもそも、ローゲージニット(セーター)とはどんなものを指すのだろう。
太い糸で密度が低く(ゆるく)編まれたニットの事。
厚みがありやわらかい見た目が特徴的。寒い冬にぬくもりを感じさせてくれるのがこのローゲージセーターだ。
一方のハイゲージニットは細い糸を使用し高い密度(詰まって)で編まれたものを指す。
目が詰まっている為表面も均一で、上品な雰囲気に見せることができるのが特徴。キレイでシンプルな着こなしに便利なのはこちらだろう。
UNIQLOのファインメリノセーターもハイゲージニットの代表作

さて、ローゲージニットに話を戻していく。
粗く編まれたローゲージニットは、あたたかみを感じさせカジュアル使いで非常に重宝する。
柔らかい雰囲気はダークトーンのコートやアウターなどかっちりとしてしまいがちな冬のコーディネートにおいて大事な存在。キマリすぎず適度にリラックスした雰囲気をつくる事ができる。
ローゲージニット(セーター)の種類
次にローゲージニット(セーター)の種類について。
ケーブルニット
まずはケーブルニット。
ローゲージニットで真っ先に思いつく種類としてはこちらのケーブル編みが施されたニット。
身ごろや腕部に縄目やひし形などの模様を編み込んでおり非常にボリューミー。
ケーブルニットは、英国の漁師が着用していたフィッシャーマンズセーターがその始まりで、遭難時に身元がわからなくならない様に家ごとの模様を編み込んで使用していたといわれている。
歴史を感じさながらもどこか暖かい雰囲気はそんな所から来ているかもしれない。
リブニット
次はリブニット。
ローゲージの中でも比較的上品な印象をもつのがこのリブニットで、シンプルながら適度に表情もあり着こなしの幅も広い。
一定幅のリブ編みで均一に編まれており、幅広に仕上がっていてもどこか小綺麗。カジュアル感を出し過ぎずに使う事ができるのが特徴。
編みの粗さとシンプルデザインが組み合わさっている為使いやすい。
シンプル無地
そして、シンプル編みの無地ローゲージニット。
プレーンデザインでありながら、ざっくりローゲージの粗さが良い意味で主張してくれている。
これがハイゲージの無地であれば上品になりすぎるが、粗く編まれたローゲージであれば適度にリラックス、ほどよくシンプル、ほどよくカジュアルを表現することが可能。
ローゲージニット(セーター)のブランド
代表的なローゲージニット(セーター)のブランドについても確認していこう。
歴史ある英国ブランドを中心に国内外問わず様々なブランドからもローゲージニットは展開されている。
インバーアラン(INVERALLAN)
まずは1975年にスコットランドで創業の老舗インバーアラン(INVERALLAN)。
熟練のニッターが90時間以上もかけて編み込み完成させるローゲージニットは珠玉の逸品。
手にすればずっしりと重く、ハンドメイドの魅力とインバーアランの歴史がつまった名品となっている。
代表作はカーディガンタイプの3Aとクルーネックの1A。
価格はアウターが買えてしまうような高級品だが、着始めの固い状態から徐々に体に馴染んでいく様を長くじっくり楽しんでいく事ができる。
コスト面がクリアであれば、模様のつよいケーブルニットに関してはこのブランドから検討していきたい所だ。
アンデルセンアンデルセン(ANDERSEN–ANDERSEN)
次がアンデルセンアンデルセン(ANDERSEN–ANDERSEN)。
2009年アンデルセン夫妻によりデンマークにて設立の比較的最近のブランドで、昔ながらの編み方を基本としながらも現代的なシルエットが特徴的。
代表作はセーラーセーターと呼ばれるリブニット。
ローゲージながら絞りの効いたフォルムとシンプルなデザイン。コーディネートにスッととけ込み、なじみがよい。
見た目のシンプルさの割に固い質感、ずっしり重く非常にあたたかい。長めの袖リブに開けられた穴から指を出し手袋のように使用できるのも特徴。
しかもこのセーラーセーターには前後の決まりが無く、どちら側からも着用する事ができる。これは多忙を極める漁師たちが急いで着用できる様に考えられた仕様である。オリジナルのフィッシャーマンズセーターの実用的ディテールをしっかりと踏襲している。
ただのシンプルでは収まらない機能美がたまらない。
ガンジーウーレンズ(GUERNSEY WOOLENS)
ガンジーウーレンズ(GUERNSEY WOOLENS)は1976年、イギリスのガンジー島で創業。伝統的な手法やディテールは継承しつつも現代的なフォルムで着こなしにもすんなり馴染む。
特徴としては、イギリスとフランスの中間にあるガンジー島(近辺)に伝わる伝統的なシルエットを忠実に残している所。
ベーシックなガンジーセーターを求めるのであれば当然検討すべきブランドであろう。
ドルモア(DRUMOHR)
続いて、ドルモア(DRUMOHR)は1770年スコットランドにおいて創業という最古のニットブランド。王室にも所縁があり献上ブランドとしても有名。ウィンザー公やチャールズ皇太子も愛用すつ由緒あるブランド。
世界で初めてシームレスのニットを始めるなど着心地につよいこだわりを持つ事でも有名。
伝統がもたらす「着る為」のセーターがこのドルモアのニットである。
バトナー(BATONER)
そして、今回取り上げる中では唯一の日本ブランドであるバトナー(BATONER)。
2013年山形県寒河江市の奥山メリヤスが立ち上げしたニットブランド。緬羊飼育が盛んな地域ならではの伝統的手法と工程で高い品質を誇っている。
重量感のある畔編みのクルーネックニットはブランドの代表アイテムで歴史が浅いメーカーながら非常に評価も高い。シンプルながら程よいカジュアルさと見ごろに施された特徴的な三角状デザインの調和が美しい人気モデル。
わずかなデザインが印象を大きく左右する好例である。ローゲージニットの素材感を活かしながらも繊細なデザインが素晴らしい。
ハーレーオブスコットランド(Harley of Scotland)
ハーレーオブスコットランド(Harley of Scotland)は3世代に渡る家族経営で高品質ウールを提供する老舗メーカー。
1929年スコットランドにて設立、オークニーやシェットランド、フェアアイルの伝統あるセーターに影響を受けたピーター・ハーレーによるブランド。
シンプルながら高い質感とコストパフォーマンスにも優れ非常に人気。
ケリーウーレンミルズ(KERRY WOOLLEN MILLS)
最後に紹介するのはブランドはケリーウーレンミルズ(KERRY WOOLLEN MILLS)。
1904にスコットランドで創業の老舗。EU認定のピュアウールのみを使用し高品質なニット製品を提供するニットブランドである。
ベーシックなリブニット。ケーブルニットにも定評がある実力派ブランド。
ケリーウーレンミルズのフィッシャーマンリブクルーネックセーターについて

ローゲージニットの選び方とまとめ
以上、ローゲージニット(セーター)の種類とブランドについて。
選択肢が多いだけに迷いどころとなっている。
選び方のポイントとしては、ケーブル編みが良いのか?カジュアルすぎないデザインが良いか?
硬さやフォルムは。
このあたりを絞り込み探していくのが良い。
カジュアルなローゲージニットを選び冬を楽しもう。ざっくり編みの魅力は着ることでさらに体感できるだろう。