スウェットパーカ。
それはカジュアルスタイルにおける基本アイテム。
誰しもが持っているだろうし、それぞれに自分の好みや気分に合うものを選んでいるだろう。
基本的なアイテムだけに、そのセレクトが問われるのも事実。
かくいう自分も、最良のパーカがないかと常に探していた。
そして、絞り込んだ末にようやく見つけることができた定番の一品がこれ。
ループウィラー(LOOPWHEELER)のジップパーカ。
ループウィラー(LOOPWHEELER)のパーカ
まずはループウィラーについて。
ループウィラー(LOOPWHEELER)について
ループウィラー(LOOPWHEELER)とは?
1999年鈴木諭氏によりスタート。「世界一、正当なスウェットシャツ」をテーマに昔ながらの吊り編み機を使ったスウェットづくりで有名な日本のブランド。
大量生産、高速編みが可能なシンカー編み機が主流の現代でも、吊り編み機にこだわり提供し続けているのがこのループウィラー。
吊り編み機で生産されるスウェットは、今となっては本場アメリカでも不可能(吊り編み機が無い)。その為、日本の和歌山でしかつくる事ができない希少なものとなっている。
ブランド名のループウィラー(LOOPWHEELER)は、Loopwheel Machine(吊り編み機)が語源。
ブランド名からもスウェットづくりへのまっすぐな姿勢が汲み取れる。
購入時についていた商品の説明書き。ここにも吊り編み機について添えられている。
まさに、スウェットの為のブランドといえるだろう。
LW290の特徴とディテール
そんな中、自分が選んだループウィラーのモデルがLW290。
あらためて全体像を収めた所で気がついた。
ただのスウェットパーカなのに美しい。
生地がそうさせるのか、デザインがきれいなのか、はたまたその両方か。
着用する前から気分があがっていた。
その特徴についても詳しく見ていこう。
吊り裏毛の生地
このLW290でもブランド最大の特徴、吊り編み機で編まれた「裏毛」が採用されている。
裏毛とは、生地の裏地がパイル状に編みこまれたもの。
ループ状に編みこまれた裏毛。
タオル生地などでよく使われる仕様で、吸水性に優れ、厚みは適度におさえることができる。
ゆっくりと空気を入れながら編み込まれる事によりつくられる良質の肌触り。
内側の縫い目が平坦になるようフラットシーマという縫製をつかっていることにも注目。着心地に関する徹底ぶりがうかがえる。
生地の種類とLWライト(LW Light)
ループウィラーでは、吊り裏毛の生地にも種類がありモデルによって使い分けされている。
ループウィラーの吊り裏毛の種類と厚さ
もっとも厚手の吊り裏毛としてLWベーシック(LW Basic)があり、ループウィラーとしてはその基盤となる生地。厚手ながらふっくらと柔らかい質感が素晴らしく、LW09の丸胴フルジップパーカはブランドの大定番。
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もっとも薄手の生地としてはLWエキストラライト(LW Extra Light)。全ての糸を細くすることでベーシックやライトとは異なった風合いをもつ軽快なつくりとなっている。
2010年に始まった比較的新しい種類で、ブランドのコラボアイテムも多く取り扱うループウィラーにおいて幅広いスウェット展開のひとつとなっている。
LWライト(LW Light)
そのふたつの中間となるのが今回購入したLW290にも使われているLWライト(LW Light)。
裏糸のみを細くすることで、適度な厚みと軽快さを両立させたバランスのよい生地。
中間的な使用感で、適度な厚み。アウターやインナー使い問わずバランスよく使うことが可能。
続いて、各ディテールについても確認していこう。
ダブルジップ
LW290はフルジップのダブル仕様。
シルバーの光沢が柔らかいスウェット地に映える。
ダブルジップのため、上部のみを開けたり下部を開けて見せることも可能。
今回、ループウィラーのスウェットパーカを選んだ理由のひとつに「ディテールの質感」があげられる。
たとえば、前記事で紹介したUNIQLOのパーカは、ジップをボディと同色にしており良い意味でごまかしており非常に優秀なアイテムだった。
UNIQLOのパーカで十分か?
しかし、それでも限界はあるわけで、ジップをはじめとする細部の質感については比較すればその差は明らか。
安価なジップパーカの場合、ディテールまで品質が行き届かない事がほとんどである。
※もちろん低コストながらの品質ということであれば非常にすぐれたものだが
カタカナタグ
ループウィラーを象徴するディテールがこのカタカナロゴのタグ。
やや長めの袖リブに施された「ループウィラー」のロゴ。
正直、以前まではこのロゴに良い印象はなかった。
「個性的だな」「なぜカタカナなのだろう?」
といった具合。
しかし見れば見るほど印象は変わっていく。
これは、アイテム自体がごくシンプルなつくりである事と、タグの配置、配色が絶妙だからである。
鮮やかな青タグ。
これがあるのとないのでは印象がまったく違う。
ほんのり味付けされた個性がここにあった。
フード
やや小ぶりのフード。
立ち上がりが良く、アウターからのぞかせる場合も使いやすい。ふんわりとさわり心地もよい。
ハイネック
LW290の最大の特徴はネック部分にある。
首元までしっかり上がるハイネック仕様で、シルエットも美しい。
通常、胸元まで上がるジップが一般的かつ圧倒的多数。
実際、LWベーシックの生地を使ったLW09パーカのジップも胸元までのプレーンなジップ高。
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このLW290のハイネック仕様の立ち上がりは非常にきれいで、上まで閉めてももたつくことはない。
また、「前を開けて」「全て閉めて」「半分開けて」などダブルジップの仕様もあいまって多様な着こなしを表現することができる。
LW290のサイズ感とシルエット
このLW290を購入する際、もっとも苦戦したのがサイズ選び。
S:着丈64 身幅52 肩幅38 袖丈60.5
M:着丈68 身幅54 肩幅40袖丈62
L:着丈72 身幅56 肩幅42 袖丈63.5
XL:着丈76 身幅58 肩幅44 袖丈65
こちらがサイズ表。
一般的なサイズ感であればMサイズであろうと試着に挑んだのだが、袖丈や着丈の長さはやや長めの許容範囲。
しかし、幅がそこまである訳ではないのにどこか違和感がある。シルエットがストンと落ち切ってしまい、しっくりこない。
もちろんそこは綿100%の素材。縮みも考慮する所ではあるのだが、店舗にて確認した所、幅に関しては縮みはわずか、丈に関しては1〜2センチの縮みを想定して選ぶべきとの回答。
綿100%Tシャツの縮みについて
そこでSサイズを試したところ実にしっくり。
ジャストながらほどよくゆとりもある。どうやらこのループウィラー。ややジャストサイズで着ることによって綺麗にシルエットがでるようだ。
Sサイズ着用の参考画像
肩幅はきっちりめで身幅はややゆとり、着丈はやや長めの印象。普段のサイジングだけで選ばない方がよいと思われる。
もちろん好みはあるが、自分はSサイズにて決定。
着てみてわかることがある。
これだから服はわからない。そして面白い。
ループウィラーフルジップパーカの特徴LW290ディテールとサイズ感のまとめ
他のブランドのジップパーカも含めたくさんの選択肢がある中で選んだループウィラーのLW290。
吊り編み機でじっくり編まれた生地の質感、存在意義のあるタグ、実用性と機能美を備えたジップ。
ジップパーカはもっともつくりやディテールによる差異がうまれやすいスウェットであると考える。
だからこだわりの一品を、ループウィラーのLW290。