ヘインズの赤ラベル。
パックに入った白無地のTシャツといえば、これを思い浮かべる方も多いだろう。
それほどに有名、それほどに定番。ヘインズの赤パックT。
ヘインズの赤パックTの特徴
以前の記事でヘインズのパックTとその種類について書いている。
ヘインズのTシャツと種類

肉厚、ヘインズビーフィTについて

ポリエステル混紡のTシャツと青ラベルについて

その中でも、最もシンプルかつオーセンティックなモデルがこの赤パック。
実にプレーン。
着る人をそのままに表してくれる白がここにある。
まずはその特徴から。
綿100%の素材
ヘインズの赤パックの特徴といえば第一に綿素材であること。
このようなコットン100%の素材の場合、特性上ゴワゴワとしている為人によっては着心地がわるいと感じることもあるのだが、この赤パックに至っては非常にサラっとしたプレーンな触感。
これは生地の厚さも関係しているのだろう。
負荷がなく柔らかい着心地は、洗いをかけるごとに質感も変化し自分仕様に馴染んでいく。
着るほどに変化を見せる綿100の素材。
天然繊維や革製品がお好きな方はよく知っている経年変化というやつだ。あえてここでは劣化とは言わない。味(アジ)だ。
コットン100の赤パックは経年変化する要素にあふれている。
薄手
そして、薄手の生地。これはよくもわるくもこの赤ラベルの特徴である。
薄手には耐久力も含め良くないイメージもつきまとう。しかしこの薄さ、個人的には肯定的にとらえている。
着ていても肌に近いというか、サラサラしていて負荷がない感触。レイヤードの際ゴワつかず邪魔をしない。
厚手のタイプは丈夫な所、透けない所に安心を覚えるがどこかスポーティすぎる。赤パックのように薄手のものにはどこか色気を感じる。
アクティブすぎないというか絶妙な加減は薄手の生地んいよるものだ。
リブの太さ
そして、首元のリブについて。
襟のリブはTシャツの印象を左右するいわば顔。
太ければスポーティで骨太。細ければドレッシーで華奢な印象。
3色パックTのモデルのリブは、いずれも約2センチと太くも細くもない仕様。
太いとラフに感じるし細すぎるとドレッシーというか肌着っく映る場合があるがこちらは標準。
普通なのも個性。
ピュアホワイト
細かいかもしれないが、同じ白でもそのシャツによって色みが全く違う。
ヘインズのパックTシリーズは白みがつよくきれいな白。
分類上は「ピュアホワイト」にあたる。黄みがつよい(生成りに近い)タイプの白Tが多いなかこれは貴重で、探すと案外みつからない。
幅広ボディと長めの着丈
ヘインズの赤パックのサイズ感とシルエットについて。
身幅を中心にやや幅広、長めの着丈となっている。
こう書くと、ただ単に大きいサイジングにも感じるが、そこまで単純な訳ではない。
襟元や肩はそれほど大きくなくむしろジャスト。身幅と着丈のみがゆったりとしている。
一枚で着る場合このままだと少し胴長にみえるぐらいのバランスである。
赤パックT洗う前の状態
しかし洗って乾燥させるとこのかたちは激変する。そうこのTシャツ、実は洗わないと始まらない。
赤パックTの縮み
この赤パックTは洗う事で大きく縮む。乾燥機にかければさらに。
自分が知っている限りTシャツの中で最も縮むかと思われる。
普段UNIQLOのスーピマコットンTもメインで使っておりこれもなかなかに縮むのだが赤ラベルはそれ以上。
UNIQLOスーピマTについてはこちら

洗濯前と洗濯後の比較
洗濯機に放り込み通常通り洗う→乾燥機。その後の状態を早速見ていこう。
最初に着画から。
結構縮んでいる?生地がつまったせいか厚く見える気もする。実際はどうだろう。
わかりやすくする為未洗い品と平置きし比較した。
正直、最初に重ねてみた際に目を疑った。同じMサイズ。未洗いとここまで違いがでるとは。ワンサイズ分は軽く縮んでいるだろう。
各部の縮み
肩幅44→39センチ。
身幅49→44.5センチ。
身丈72.5→62センチ。
なんと身丈は10センチも縮んでいる。もちろん個体差と洗濯、乾燥の環境によって数センチも違いはでるだろうがそれにしても実によく縮む。
皆さまお持ちのTシャツ(特に綿100%のもの)も実は縮んでいるかもしれない。
赤パックの経年変化と展望
しかし、この赤パックはこれでようやく着始める事ができる。
洗いをかけ縮ませることによって、綿100の生地は目が詰まり、それと同時に肌触りは柔らかくなった。
首の部分は詰まっていて、かたちも直線的。全体的にギュッと絞られた状態。これを着ていく事によって身体に沿い、伸びる所はのび、着用者仕様に表情を変えていく。
Tシャツの経年変化と着こなしについて

クタリと経年変化がもたらす格好よさ。
赤パックをおすすめする理由はここにある。
自分のかたちをつくるTシャツ。赤ラベルのスタンダードを着る。