新たに穿き込みができるこだわりのジーンズが欲しい。
すでに所有しているA.P.Cやtender.coのデニムとは違った一本を見つけたい。
そう考えジーンズを探していた。
着こなしに使いやすいスタンダードシルエットで色落ちも楽しめる一本を。
そして、試行錯誤のすえ見つけたのがリゾルト(RESOLUTE)のデニムである。
以前より非常に気になっており常にチェックしていたブランドではあったが、タイミングが合い購入する事となった。
今回はそんなリゾルト(RESOLUTE)の定番ジーンズ710について。注意すべきサイズ感について触れながら確認していく事にする。
リゾルト(RESOLUTE)と710
まずは購入にいたったブランド、リゾルト(RESOLUTE)について。
リゾルト(RESOLUTE)について
リゾルト(RESOLUTE)は、90年代のレプリカジーンズのブームを牽引していたドゥニーム(DENIME)のデザイナーでもあった林芳亨(はやしよしゆき)氏が2010年に立ち上げた日本のブランド。
ジーンズあくまで道具と捉え、何年経っても同じものが手に入る理想のスタンダードを創りたいとの想いから生まれた。
リゾルトのデニム(ジーンズ)の種類
なんとこのリゾルト、基本的にはデニムのみの展開をしている非常にめずらしいブランドで、現在展開されているのは4モデルのジーンズだけとなる。
どこか頑固で一貫したした姿勢に共感していた。
リゾルト(RESOLUTE)の厳選された4モデルについて。
まずはブランドの大定番710。リーバイスの66モデルをモチーフに日本人向けにパターンが起こされたテーパードストレートシルエット。13.75オンスのこだわり生地でつくられ色落ちの評価も非常に高いベーシックモデル。
続いては711。50年代リーバイス501XXのボーイズモデルである503BXXをモチーフにしたやや太めのストレート。このモデルのみ13.13オンスのややライトオンス生地が採用され、革パッチの仕様やオフセットのベルトループなど当時の仕様を踏襲している。
そして3型目の712は505モチーフのジッパーフライモデル。ジッパー仕様がもたらす利便性に加え、サンフォライズ(防縮加工)が施され、毛焼き処理済みの洗練されたモデル。
最後は股上の浅いローライズモデルの713。710の股上を浅くしたつくりで、スッキリとした腰回りが特徴的で生地は710と同様のものを使用。
以上の4型で展開されるリゾルト(RESOLUTE)。必要最低限のモデル展開がいさぎよい。
デニムは道具。穿いて使う事で成立するという強いこだわりを商品展開からも感じる事ができる。
リゾルト(RESOLUTE)710
4型の厳選されたモデルの中、自分が選んだのは710。
リゾルトのなかでも最も定番的で人気の高いモデル。実際に着用し評価の高い理由を体感したかった。
全体像。リーバイスの66モデルにインスパイアされてつくられただけあって非常にスタンダードなかたち。やや細みのテーパードストレートは穿けば美しく、足を長く見せてくれる。
ウエスト部。ブランドの頭文字であるRの織りネームの赤がよく映える。
腰部の絞りはややつよめで、腰回りと臀部にかけてのフィット感が強いのが特徴。膝下から裾までにのテーパードはそこまでキツくない様に見える。洗いをかさねるごとに縮みが出て変化していくだろうか。
防縮加工や毛焼き処理をされていない生地。リゾルトは基本的に生デニム状態からワンウォッシュされて販売されている。産毛が見えるような表面は穿きこみ洗うことにより自然に取れて独特の風合いに変わっていくだろう。今からワクワクしていた。
リゾルトの生地は岡山県は伊原市にあるシンヤ株式会社で織られている。DENIME時代から林氏とつながりのある屈指の生地メーカーで、海外からの依頼も途切れない熟練の技がここにある。しかもここにはRESOLUTE専用の織機があるというからまた驚き。
ボタンフライの仕様。シルバーのロゴ入りで、ウエスト29インチまでは4つボタン仕様、ウエスト30インチ以上は5つボタンの仕様とつくりを変えている。
コインポケット部。洗って乾燥を繰り返すごとにシワがより稲妻と呼ばれるアタリが出るのがこの箇所となる。色落ちにも期待していきたい。
丈夫さの象徴リベットはシンプルな銅製。リーバイスのそれに近くプレーン、良い意味で特徴はなくデザインの邪魔をすることはない。
バックに縫い付けられた紙パッチ。製品自体がワンウォッシュで販売されているため、シワがついているのが分かる。
ティアオフタグと呼ばれる切り取りできる部分も残したまま。本来であれば穿き始めに切り取り、パッチのサイズが消えても分からなくならない為のもの。
タグの端がベルトループにかかるがこれは仕様。ベルトループの取り付け部に少しでも強度があるようにこの箇所になっている。ベルト着用時には少し邪魔になるが自分はベルトなしで穿き込みする事にする。
よって、現状はティアオフタグは切り取らずに着用していこう。
バックポケットはステッチなし。やや大きめで存在感がある。ポケット上部は真っ直ぐではなく緩やかにカーブしているのが特徴的。
ポケット裏のステッチはシングルになっておりやはり66モデルを踏襲している。
バックポケット中に縫い付けられた製品タグの場所は特徴的で実はDENIME時代もここに取り付けられていた。林氏の考えだろうか。
ベルトループのとりつけはオフセットなしのセンター付け。
バックポケットの内側。
こちらも66モチーフの通り隠しリベットはなし。かんぬき留めのスッキリとした仕様。
スレーキ部。リゾルトのタグと思いきや、岡山県新見市の縫製工場である株式会社新見ソーイングセンター「NIIMI SEWING(ニイミソーイング)」のタグ。
林氏が「ここやないとRESOLUTEの顔にならん」と言わしめるほどの工場で、もともとはリーバイスの指定工場だった事もうなづける。このギャランティはRESOLUTEの信頼の証。
生地のシンヤといい新見縫製工場といいジーンズの工程ごとに最高の職人とのつながりを大切にする考え方には頭が下がる。林氏がいままで培ってきた人脈や信頼関係があって成せるものだろう。
メイドインジャパンのジーパンにこだわる姿勢はここにも現れている。
裾部。チェーンステッチで処理がなされ、ワンウォッシュ後という事もありすでに捻れが入っている。
防縮加工されていない生デニムが変化していく様は魅力的だ。
セルビッチ部分。他のメーカーに比べややかたい耳となっており、リゾルト特有のブリブリのアタリの条件となっているが分かる。オレンジ色の耳も珍しい。
リゾルト(RESOLUTE)710のサイズ感とウエスト・レングス選び
今回リゾルト710を購入するのにあたり注意した点はやはりサイズ選び。
710の豊富なレングス展開
RESOLUTEのジーンズはウエストはもちろんレングス展開が非常に豊富。710にいたってはレングスが1インチ刻みで販売されておりその人にあった丈感を自由に選べるという稀なブランドとなっている。
メーカーが推奨するサイジングはあくまでタイト〜ジャストフィットであり、購入にあたりどれぐらいのサイズ感で選ぶか非常に悩ましかった部分。
検討の結果、ブランド推奨のとおりタイトジャストのフィッティングで選んでいく事に決定した。その理由としては、特徴であるきれいなシルエットと色落ちを同時に体験したかったから。
ウエストのフィッティングとサイズ選び
身長が約170センチでやや細みの自分であるが、普段のリーバイス501であれば28インチ。A.P.Cのプチスタンダードであれば27インチを着用している。
リゾルト710においては標準ならタイト〜ジャストで28インチ。少しゆとりをもたせるのであれば29インチが適正だろうと判断。
実際にワンウォッシュの710、ウエスト28インチを着用するとギリギリ手のひらが入るジャストサイジングに感じていた。
このサイジング、人によってはキツいと感じ、諦めてワンサイズあげる事も多いと思う所だが、あくまでジャストフィットで穿き込みたい為そのまま決定。
実はこのセレクトには確信あった。というのも事前に知人から同ウエストサイズの個体をお借りする事が出来、いくつか試着済みだったためである。そのため個体差や穿き込んだあとの伸び縮みに関しても概ね把握できていた。
例えば、同じウエスト28インチを2本試させてもらっているのだがサンプルAはウエストが70センチ、サンプルBは69センチ。こちらは何度も洗いをかけ乾燥機にもかけており信憑性が高い実寸となる。
以上により多少の個体差はあれど前後1センチ程度の誤差を想定しそのままウエストを選ぶことができた。
レングスは短めで選ぶか?長めが良いか?
次にレングス選び。
リゾルトは前述したようにレングスを1インチ刻みで選ぶ事ができる。他のブランドであればあらかじめ長いレングスで購入しその人に合わせて丈つめして着用するのが一般的。
しかしこのリゾルトはレングスごとにパターンがあり、切らずにきれいなままのシルエットで穿く事ができるのが特徴。
メーカー推奨はノークッションで裾がきれいに見えるレングスとなっている為今回はこれにのっとり短めの丈感で選ぶ事にしていた。あくまで好みで選べるため靴にクッションさせる丈で穿くのも良いだろう。
しかしこの710に関しては裾にかけてのきれいなテーパードが特色であり、個人的にはノークッションで着用するのをおすすめしたいと思っている。
よって自分も短めの丈感で決定。
レングス選びであるが、これもお借りしたサンプルからレングス30とレングス31を実際に試す事ができた。
30インチの個体が股下69センチ、31インチが股下72センチである事を確認。
前後1.2センチを誤差として考えるとしても30インチでは完全なくるぶし丈となってくるだろう。
よって31インチに決定。
くるぶしまでは裾がかかるがノークッション、細くワンロールすることでくるぶしが少し見える丈感で選ぶ事ができた。
シャンボード着用時の丈感。ノークッションで靴に干渉しないサイジング。ジーンズながらあくまできれいに着用する目的でセレクト。
ワンロールしたレングス。テーパードがきれいにかかっており捲りあげてもとても上品な佇まい。シャンボードと710の相性の良さはいうまでもないだろう。
710洗濯乾燥後の縮みとサイズ変化について
今回のリゾルト710に関しては購入後すぐに洗い、乾燥機までかける事にしていた。
先にあげた丈感についても縮みを出し切ったもので記録している。
購入後にすぐ洗いと乾燥をかける理由としては、完全に縮みを出し、穿き込みしやすくする為。
製品自体はワンウォッシュしてある為そこまで極端に縮むことはないのだが、あくまで個体差がある。
自分が知る限り、ウエストで3センチ。レングスも3センチ程度縮んでしまう個体もあり、そこまでいくとサイズ感は完全に変わってしまうだろう。
その為この作業は非常に大事なものと捉えていた訳である。
洗剤なしぬるま湯30分つけおき洗い。そのまま洗濯機で脱水し、乾燥機は完全に乾燥させるため長めに50分。
一気に進めていく。
下記は購入直後の洗い前と洗濯・乾燥後のサイズ
● 洗濯前(購入直後)ウエスト70 渡り幅24.5 股上25.5 股下72 裾幅18
● 洗濯前(購入直後)ウエスト68 渡り幅24.5 股上25.0 股下71 裾幅17
以上、ウエスト部と裾幅は若干縮んだものの想定内の変化に留まった。
全体像。ウエストと裾がキュッと絞られた様な印象。
ウエストはなんとか手のひらが入るかどうかの縮み具合に変化。しかしここはよく伸びる(最大2センチ程度)為問題ないと判断。
裾のチェーンステッチ部はつよくうねり早くも変化が感じられた。
以上のように縮みや変化は実に流動的。
よって慎重になりながらも、その変化や歪み、曖昧な部分を楽しみたいとさらに思うようになっていた。
さあ、準備は万全。あとは穿き込んでいく。それだけである。
リゾルト(RESOLUTE)710とサイズ選びのまとめ
以上リゾルト(RESOLUTE)710とサイズ感について。
サイズ展開の多さからほぼオーダーのようにウエストレングスを選ぶ事ができる710。
独特のフィット感からサイズ選びは少々難しいと考える。
しかしじっくり比較し選びぬいたマイサイズのジーンズは穿き込み使い続ける事によってかけがえのないマイアイテムとなるだろう。
さあ、穿き込みスタート。マイサイズを穿こう。