英国の老舗、バブアー(barbour)。
オイルドのコットンクロスを使用したジャケットは特に有名。
その代表的モデルとして、ビデイル(Bedale)とビューフォート(Beaufort)が存在する。

一見すると非常に似ている両モデル。いったいどのように違いがあるのだろうか?
今回は、そんなビデイルとビューフォートの違いについて。手元にある2モデルを実際に比べ、くわしく確認していく事にする。
バブアーのビデイル(bedale)とビューフォート(Beaufort)
バブアーの大定番、ビデイル(Bedale)とビューフォート(Beaufort)。
それぞれの歴史と特徴から確認していこう。
ビデイル(Bedale )
ビデイルは1980年に乗馬用ジャケットとして登場し、バブアーを代表するモデルとして現在まで非常に高い人気を誇っている。
適度にカジュアルな短丈、機能的に配されたディテールと非常に無駄がないデザイン。
バブアーといえばまずこのモデルから、迷ったらまずビデイルがら試す。
そういった声も多いブランドの大定番である。
ビデイルSLについて

ビューフォート(Beaufort)
ビューフォートは1984年登場のゲームハンティング用ジャケット。
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ビデイル同様バブアーらしいディテール、ジャケットが隠れるミドル丈が特徴的。
やや長い着丈はスーツスタイルにも合わせやすい。
バブアーの定番モデルらしい汎用性を誇る一着だ。
ビデイル(Bedale SL)とビューフォート(Beaufort SL)の違い
では、そんな定番2モデル、ビデイルとビューフォートの違いについて確認していこう。
今回比較するのはそれぞれのSL(スリムフィット)タイプ。オリジナルのクラシックタイプに比べややスリムですっきりとしたシルエットが特徴のモデルである。
同サイズで違いを確認、比較していく事にする。
シルエットとサイズ感
まずは、シルエットとサイズ感について。

2モデルを並べた全体像。
シルエットの違いが分かるだろうか?
若干着丈が違うようにも見えるが、正直、ひと目みただけで判別するのは簡単ではない。
着用者のサイズ選びによって見え方も変わる為、どちらを見分けるのは難しいと考える。
それほど似ている両モデル。
では具体的なサイズ(数値)について確認していこう。
下記の表にまとめてみた。
| 34inch | 36inch | 38inch | 40inch | 42inch | |
| 着丈 | 73 | 75 | 76 | 80 | 81 |
| 胸囲 | 100 | 104 | 106 | 110 | 114 |
| ゆき丈 | 83 | 87 | 87.5 | 89 | 92 |
| 裾幅 | 52 | 55 | 56 | 58 | 60 |
| 34inch | 36inch | 38inch | 40inch | 42inch | |
| 着丈 | 75 | 76 | 79 | 81 | 83 |
| 胸囲 | 104 | 108 | 110 | 112 | 116 |
| ゆき丈 | 81 | 82 | 85 | 87 | 89 |
| 裾幅 | 52 | 55 | 56 | 58 | 60 |
上記のように同サイズ(34インチ)で確認すると胸囲で4センチ、着丈で2センチの違いが見て取れる。
大きな数値ではない為微差に感じるのだが、これを大きいと見るか小さいと見るか。
※製造時期や個体差による誤差も考えられる為都度確認は必要、クラシックモデルであれば尚違う
特に違いが見受けられる箇所について。
部位ごとに確認していこう。
胸囲(バスト)
胸部分。
胸囲に関してはビューフォートがややゆったりしており、ざっくりと羽織るような着こなしに使いやすい。
ビデイルに関してはややジャストなサイズ感。
これは乗馬用のモデルとしてつくられた背景が関係していると考えられる。
SLモデルであればなおきっちり、スマートなサイズ感で着用する事が可能。

重ねてみるとビューフォートの方がやや幅広のフォルムでレイヤードに適している。
すっきりと一枚での着用であればビデイルが有利といった所だろう。
着丈
そして最大の違いともいえる着丈について。

2センチという事で考えれば数値上そこまで大きい差はないように見える。
ジャケット(スーツを含む)の上に羽織った場合、ビデイルは裾がやや見え隠れするサイジング。
ビデイルはお尻がかくれる太ももの付け根までの着丈。
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一方のビューフォートは裾まで隠れるであろうサイズ感。
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何の上に羽織るかで変わってくる適正な着丈。
数値的にはそこまでではないが、実際は大きな違いとなるだろう。
微差ながらそれにより用途は十分に変わる。
ディテール
続いては各ディテールと違いについて。
ビデイルとビューフォートの共通ディテール
両モデルの共通ディテールとしてはコーデュロイの襟、ラグランスリーブ、ハンドウォーマーを含むポケット、リングジップなどバブアーらしい仕様が施されている。

襟のコーデュロイと動きやすさを重視したラグランスリーブの肩。

リングジップ採用の両モデル。ちなみにブラックのビデイルはシルバージップ、ネイビーのビューフォートはゴールドジップ。
これは本体カラーによって異なる。
リブの有無
まずは袖口の仕様と違い。

ビデイルの袖部。
内側がリブ仕様となっており、乗馬の際に冷たい風が侵入しない様工夫されている。

一方ビューフォートSLの袖部。
ナイロン素材でスナップ留めの仕様、リブはない。
ハンティングの際腕まくりをしたりレイヤードしやすい為の仕様と考えられる。
リブ仕様と違い中に着たジャケットの袖部を納めやすい訳だ。
ハンドウォーマーポケットの角度
両モデルとも手を温めるためのハンドウォーマーポケットが採用されている。

ポケット部の比較。
よく見ると角度が違う?
そう、ビデイルの方が角度がきつく斜めに取り付けられているのである。
馬上でも物の取り出しそしやすくする為の仕様だろう。
一方のビューフォートは真っ直ぐで角度はついていない。
正面から判別する際にわかりやすい部位はこちらになる。
比翼部裏のファスナーポケット
フロント比翼部に配されたファスナー付きポケット。

ちょっとした収納になるがジップ付きで中にいれたものが落ちない。
実用的なディテールであるが、これはビューフォートのみ採用されたものとなる。
サイドベンツとゲームポケット
ビデイルとビューフォートを比較する際、もっとも明確な違いがわかる部分がサイドベンツとゲームポケットである。

ビデイルにのみ見られるのがこのサイドベンツ。
サイドベンツとはジャケットの裾の脇部分に入れられたスリットの事。
元々が乗馬用ジャケットであるため、座る際動きやすくする事を目的に採用されたディテールだ。
スナップにより開閉も可能。非常に実用的である。

一方のビューフォート、ゲームポケットと呼ばれるハンティングで手に入れた獲物を入れるためのポケット部。
ビデイルと異なりベンツはなし。
そのかわり袖部わきから後ろ側がまるっとポケットになっている。
これが想像以上に大きくてかなりの収納力をほこるディテール。

しかも、カンガルーポケットのように左右で貫通するつくり。
どちらからでも中のものが取り出しやすいのもありがたい。
両モデルの判別方法としては、サイドベンツのスナップボタンが見えればビデイル、ゲームポケットのリングジップがあればビューフォートという事で確認が可能。
裏地のチェック
チェックの裏地自体はともに施されている。

本体カラーによって違うチェックの色柄。
左がブラックの裏地、右がネイビーの裏地である。

ライナー取り付け用のジップ仕様は共通。

違いは裏地の面積と部位。
ビデイルは裾部に近い部分をナイロン地に切り替えてある。
ビューフォートは裾部までコットン生地が施されている。
まとめ
以上、バブアーが誇る2大定番、ビデイルとビューフォートの違い。
SL(スリムフィット)タイプを実際に比べ確認えを進めてきた。
大きな違いとしては、軽快でカジュアル仕様、一枚でジャケットとしての着用も有効なビデイル。
ゆとりのある身幅と長めの着丈により、レイヤードやスーツ・ジャケットスタイルにも使いやすいビューフォート。
このあたりがそれぞれのモデルを選ぶ際のポイントとなるだろう。
細かなディテールの違いはあるが、見た目の違いとしてはそこまで大きくない。
収納量や取り回しについては多少の違いがあるためしっかり比べてみるのをおすすめする。
ビデイル(bedale)とビューフォート(beaufort )。
バブアーが誇る2大定番モデル。
さあ、あなたならどちらを選ぶ?










