テーラードジャケット。
スーツに代表されるかっちりしたウール地のものを思い浮かべる方も多いだろう。
しかし、カジュアル使いを想定した場合少しかしこまった印象になりやすいのも事実。
そこで、カジュアル素材で気軽に羽織れるジャケットが欲しいとなるとやはりコットン素材は欠かせない。
今回はコットン素材のテーラードジャケットのブランドと種類について。
コットンテーラードジャケットの特徴
では、コットンテーラードジャケットどういったものを指しているのか。その特徴や用途についても確認していく事にする。
コットンテーラードジャケットとは?
コットンテーラードジャケット。
コットン→綿
テーラード→仕立ての
という事で、文字通り綿素材で仕立てられたジャケットの事。
ウールや化繊(ナイロン・ポリエステルなど)のものに比べ、コットン特有のザラ感やしわ、風合いがつよく出るのが特徴。
かっちりし過ぎず、気軽に扱うことが可能で、ものによっては自分で洗濯し、繰り返し着用することもできる。
手入れが楽で、経年変化が期待できるものも存在する。
素材の特性的にビジネスの場など、TPOによってはラフに見えてしまう場合もあるが、ビジネスカジュアルの範疇で使用したり、普段使いのドレスアップに使用したりと、その汎用性は高い。
ビジネスカジュアルのドレスコードについて

コットンテーラードジャケットのブランドと種類
では、このコットンテーラードジャケット。どのようなブランドや種類から選んでいけばよいだろう?
大きくふたつに分類し、みていく事にする。
まずはコットンジャケットの本領、ワーク系のブランドから。
ワーク系
ワーク系のジャケットといえばデニムジャケットやカバーオールなど無骨なタイプもものが思い浮かぶ。
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上記の物も格好良い。しかし、今回はあくまでテーラードジャケット。
ワーク系としては少ないながらもテーラードとして分類されるような、きれい目ジャケットも存在する。
ブランドも含めさっそく確認していこう。
ダントン(DANTON)
まずはフランスのワークブランド、ダントン(DANTON)から。
1931年創設でフランスの国鉄などの作業服や制服を納めていた事でも知られる歴史あるブランド。
セレクトショップでの別注品も多く、手にする機会も多い人気ブランドでジャケットももちろん展開している。
ワークブランドらしくほどよくゆとりをもたせたシルエット。ひし形のワンポイントロゴが特徴で、カジュアルながらどこか上品な印象。
ヤーモ(YARMO)
続いてはヤーモ(yarmo)。
ヤーモのダスターコート

以前、ダスターコートの記事でも取り上げている実用性とデザインを兼ね備えたものづくりに定評ある英国ブランド。
定番のドライバーズジャケットはハリのあるコットンを使用し、流行にとらわれる事のないベーシックなつくりが魅力。
ワーク然とした仕様ながら、ほどよくかしこまった雰囲気を醸し出す。
ベトラ(VETRA)
フランスのベトラ。
こちらもワークジャケットで有名。
シンプルでワークテイストを感じられるベーシックジャケット。
デニムなどカジュアルアイテムとの相性も抜群。
シェーブル(CHEVRE)
フランスのワークブランドが続く。シェーブル(CHEVRE)は消防や警察の制服も手がける老舗作業服メーカー。
ブルーが映えるきれいなモールスキンのジャケット。ブランドタグがアクセント。
ドレス系
次にテーラードジャケットといえば仕立てにこだわりがあるクラシックなブランドについても見ていきたい。
前述したワーク系の場合、ビジネス使いが難しい所ではあるためこちらにも注目。
ウールなどを基軸にしたものが多いのだが、コットン素材のジャケットについても確認していく。
ラルディーニ
イタリアはアンコナで1978年に設立された著名ブランド。高品質なもの作りで世界中のブランドの製品に携わっている。
もちろんコットンジャケットの品質も間違いない。
軽さと生地の質感、上質さをもちあわせたジャケットは実に美しい。
ブルックスブラザーズ(BROOKS BROTHERS)
1818年創業と歴史もあるニューヨークの高級ブランド。アメトラ(アメリカントラディショナル)の代表としても有名。ネイビーのブレザーはブランドの象徴ともいえる。
そんなブルックスブラザーズのコットンジャケット。
実にクラシック。軽く羽織るだけで適度にかしこまった雰囲気を作り出してくれる。
ボリオリ
サルトリアーレの手法を継承し伝統と現代の技術を融合させた発想で製品づくりをおこなうイタリアのブランド。1950年代なかばよりアトリエを開設し、Gambara(Brescia)の工場に移転、現在に至る。
肩がほどよく落ちるアンコンジャケットでも有名。
コットンジャケットもそのつくりは継承されており、適度なリラックス感と上品な質感の共存が素晴らしい。
その他
他にも、コットンテーラードジャケットを定番として展開しているブランドは存在する。
コモリ(comoli)
素材、シルエットにこだわりを持つ日本のブランドcomoli(コモリ)。こちらの名品タイプライタージャケット。
ハリのあるタイプライター生地にややゆったりとしたリラックスシルエットが美しい。気負わず羽織ることができる。
購入したコモリのジャケットについてはこちら

エンジニアドガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)
元ネペンテスの鈴木大器氏により1999年に始まったニューヨークで企画・生産を行うブランド。
アメリカンクラシックやミリタリーを意識したデザインが秀逸で、ベッドフォードジャケットと呼ばれるジャケットは非常に評価も高い。
デザインの効いたラペルやポケット配置。シンプルながら生地の質感も高く一枚羽織るだけでも着こなしに幅が出る。
まとめ
以上、コットン素材のテーラードジャケット。ワーク系であれば普段使い、ドレス寄りのクラシックなブランドであればビジネスで、このように同じコットン素材でも用途は幅広い。
季節問わず使うことが出来、取り回しも良い。気軽に羽織れるのにラフになりすぎない。
Tシャツに重ねるだけでもほどほどに格好がつく。
ジャケットのインナーにも最適UNIQLOスーピマT

この良い意味での「ほどほど」がコットンテーラードジャケットの特徴。
ちょうどよい万能ジャケットはここにあった。