ジージャンといえばリーバイス(levis)。
その歴史は非常に長く、現在着用されているジージャン(デニムジャケット)のほとんどはリーバイスを元にしているといって差し支えないだろう。
今回は、そんなリーバイスが復刻を中心に発表しているプレミアムライン、LVC(リーバイスヴィンテージクロージング)のジージャンと購入した506XXについて。
LVC(リーバイスヴィンテージクロージング)とは?
リーバイスが展開するプレミアムラインLEVIS VINTAGE CLOTHING(リーバイスビンテージクロージング)。
略してLVC。
LVC(リーバイスヴィンテージクロージング)について
LVC(リーバイスヴィンテージクロージング)はもともとリーバイスジャパンの企画から80年代に進められていた企画がそのはじまり。
当初は情報量も少なくオリジナルの再現に苦戦していた。90年代に入ると日本企画の復刻版が多数展開されていき、ヨーロッパ企画も経てその忠実度を高めていった。
そして、90年代後半にはついにLevi’s Vintage Clothing(リーバイスヴィンテージクロージング)としてブランドを発表するに至る。
当時の名作を再現しこだわりのディテール、仕様で再現。
デニム愛好家の中には「オリジナルとは違う」「再現度がまだまだ」などといった意見も見受けられるが、リーバイス自らが当時のモデルを本家として復刻していく意味はとても大きいと感じている。
リーバイスみずからが行うオリジナルアーカイブはここにしかない。
それがLVC(リーバイスヴィンテージクロージング)。
LVCのジージャンの種類
そんな、各年代の名作を発表しているLVC。
デニムジャケット(ジージャン)も各年代ごとに展開されている。
製造時期によって様々な仕様が存在するが、やはり代表作として1st(ファースト)、2nd(セカンド)、3rd(サード)と呼ばれる3型があげられるだろう。
506XX(1936年・ファーストモデル)
LEVI’S® VINTAGE CLOTHING 1936モデル TYPE I トラッカージャケット RIGID。
個人的にはどのタイプが好きか?と問われた場合にはこのファーストタイプと答えている。
リーバイスのジージャン1st(ファースト)について
ワーク然としたデザインにディテール、無骨なシルエット。ジージャンの基礎はここにあるといわんばかりで、その存在感は今も変わらない。
507XX(1953年セカンドモデル)
LEVI’S® VINTAGE CLOTHING 1953モデル TYPE II トラッカージャケット RIGID。
フロント両面に取り付けられたポケットが印象的。短丈、バックのアジャスターなどのすっきりした仕様も特徴で、非常に高い人気をほこるのがこのセカンドタイプ。
557XX(1961年サードモデル)
LEVI’S® VINTAGE CLOTHING 1961モデル TYPEIIIトラッカージャケット 557 RIGID。
リーバイスのジージャン3rd(サード)について
現在着用されているジージャンのデザインでもっとも多くのものに採用されてるといっても良いのがこのサードタイプ。
フロントのV字ステッチ、角度のついたポケット、シェイプの効いたシルエットと、全く古びる事のないファッション性の高い仕様は当時、本当に画期的だったであろう。
コーンデニム使用米国製506XXについて
そして、自分が今回購入したのは1936年1st(ファースト)モデル復刻版、コーンデニム使用の米国製。
12oz、つよいザラ感が特徴で深い青みが実に美しいデニムである。これからの色落ちにも期待が高まる。
ワークアイテムながらデザインの完成度が高い。もういじる必要が無いのでは?そう思えるほど洗練されたつくりがここにある。
メイドインUSA(米国製)
今回入手したLVCの506XXはコーンデニム(2004年にコーンミルズから改名)社製のデニムを仕様した米国製。
コーンデニムは、2017年に操業を中止したノースカロライナ州グリーズボロのホワイトオーク工場でつくられていた事でも有名。
あの501デニムを製造してきた事から、リーバイスの歴史そのそのものといえるだろう。
現行は日本製デニム(カイハラ)を使用しながら欧州(ブルガリヤ・トルコ)製造へと移行している。その為、メイドインUSAの品物はさらに価値が高まっていくだろう。
※とはいっても現行品も生地の方向性が違うが十分に高品質である
506XXのディテール
LVCの506XX、ディテールについても確認していこう。
フロントポケット
片方にのみ取り付けられているフラップ付きのフロントポケット。
深いインディゴに本家の赤タブが映える。
2nd以降は両側に採用されるため1stたる象徴的なディテールひとつ。
大戦モデルではフラップが省略されたり、時代や製造期によって細かに仕様が変わるのはマニア心をくすぐり離さない。
リベット
各所にリベット補強がなされているのも特徴。
フロントポケット部。フラップを開けばしっかりと打ち付けられたリベットが覗く。
袖部もリベット補強が施されている。
時代が進むにつれてバータック(糸での補強)に変わっていくため初期のモデルになればなるほどリベットの数が多い傾向にあり表情も無骨。
これが格好良い。
シンチバック
当時の506オリジナルモデルの立ち位置はワークジャケット。バック部には「シンチバック」と呼ばれるバックルが取り付けられ、締めたり緩めたりで調整ができる様になっている。
これもまたセカンド以降には存在しないディテールで1stの特別感を引き立てている。
オリジナルは製造時期によってバックル部の仕様が異なる(針)。
こちらのLVCの復刻では安全上の問題からか針がむき出しにはならないバックル仕様。
細かい部分ではあるがディテールの違いを比べていくのはとても楽しい。
革パッチ
オリジナルと同様に革パッチが縫い付けられている。
素材は牛革(製造時期によっては羊革)に506XXの表記。サイズ表記はS、M、Lと記載。オリジナルは基本インチサイズでの表記であるが、復刻や現行ものはこのようなサイズ表記採用しているものも多い。
LVCのデニムジャケット(ジージャン)506XXとまとめ
以上リーバイスヴィンテージクロージング(LVC)とデニムジャケット、506XXについて。
リーバイスが自らが復刻し、赤タブをつけ発表している事に意味がある。そして、コーンデニム社の歴史が誇るデニム地の魅力。
着込むことによりじっくりと確認していきたい。
LVCのジージャン。今と昔を繋ぐリーバイスはここにあった。
追記:LVC506は一度洗いをかけ縮みを出してから糊付けをすることに