冬。
期間としては12月から3月の初旬ぐらいまでを指すだろうか?
最高気温で言う所の10度を切ってくるあたり。
このぐらいになると厚手のアウターを羽織ったりニットなど保温力のあるインナーを選んだりと冬の着こなしが必要になってくる。
今回はそんな冬における必需品のひとつ、マフラーについて。
コンテンツ
マフラーの素材
マフラー(ストール)を選ぶにあたりもっとも重要な部分、それは素材。
体を覆う面積としてはそれほど大きい訳でもなくアイテムの特性上シンプルなデザインが多い。つまりマフラーは素材によってほぼほぼ印象が決まってしまうアイテムだという事。
だから素材についてはこだわりを持って見ていきたい。
ウールとカシミヤ
マフラー(ストール)で使用される代表的な素材といえばウールとカシミヤ(カシミア)。
左のネイビーがカシミヤ素材・右のベージュがウール素材
もちろん発色の良いアクリルやカジュアル使用に適しているフリース(ポリエステル)などの化学繊維。
そしてアルパカ、アンゴラ、シルクなどに代表される天然繊維のものも存在する。
しかし、防寒、見た目、使い勝手と全体のバランスで考えた際、ウールとカシミヤはマフラー・ストールの素材における花形である。
ではこのふたつ、どのように違いマフラーとして使うのであればどちらが良いのだろうか?
ウールとカシミヤの違い
ウールについて
まずはウールについて。
ウールは羊毛(ひつじの毛)のことを指し、産地や種類によっても異なる。
繊維の細さでランク付けされており代表的なものとしてはオーストラリアやニュージーランドで有名なメリノウール。
UNIQLOの定番ファインメリノウールカーディガンについて
他にはコリデールやロムニーといった種類もあるが、細い繊維と艶やかなメリノ種は高級で見栄えも良く衣料品で使われることが多い。
特徴とメリット
保温性に優れている。これは繊維が縮れていることにより空気を多く含む為、冬に使えば暖かく吸湿性にもすぐれている事もあり夏には涼しい万能な天然素材。
イメージ的には秋冬の素材に思われがちなウールだが通年着用可能なテーラードジャケットに使われるのはこの為といえる。
加えて型崩れもしにくくシワができても回復する。実に万能。
デメリット
そんなウールにもデメリットはある。
洗濯時の縮みと水濡れ
ウールは表面にかかった程度であれば撥水性があり水をはじいてくれる。しかし完全に水に浸かった場合は縮みをまねいたり繊維が絡み合いフェルト状に固くなる事があり注意が必要である。
毛玉
ウールと毛玉については切っても切り離せない関係。
なぜならウールの表面は髪の毛のように凹凸がある繊維でできておりからみやすいつくりになっている為。
毛玉になりやすい服なりにくい服
もちろん種類や品質によっても異なるが日頃のブラッシングやメンテナンスを怠ると劣化が進み毛玉は増えていく。
カシミヤについて
カシミヤとは?
一方のカシミヤについて。
カシミヤはカシミール地方(インドの北西部)に生息する山羊の毛を使用し織られた織物の事。
一頭からわずか150gから200gしか取れないこともあり「繊維の宝石」と呼ばれる希少な高級素材。
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特徴とメリット
カシミヤはウールと比較すると軽くて保温性が高い。
何故ならカシミヤの繊維は14から16ミクロンという極細のもの。だから糸として仕上げる際にたくさんの繊維を束ねる事が可能になり高い保温力を生む。
同時に柔らかい質感と独特のぬめりのある艶感を持ち、見てわかる魅力も持ち合わせている。
デメリット
カシミアもつデメリットについても確認していこう。
高級素材であるカシミヤだが繊維が持つ特徴ゆえに実にデリケート。
水濡れによるシミ
水に弱く濡れたまま放置すればシミになりやすい。雨に濡れた場合は素早く拭き取り乾いたらブラッシングするなどのケアをする必要がある。水に浸かることは極力避けたい所。
毛玉
ウールにもまして毛玉はできやすい。カシミヤが短繊維スパン糸(糸端の数が異なる)に分類されている事も毛玉と深く関係しており取り扱いは非常にデリケート。
その為メンテナンスで補っていく必要がある。摩擦に注意し使用後のブラッシングなどのアフターケアもかかせない。
どちらが良いか?
以上のように素材としては同じ「毛」に分類されるウールとカシミヤ。マフラーとして使うにはどちらの方が良いのだろうか?
より具体的に確認していく為にマフラーで使用した場合の特徴をまとめてみた。
ウール:扱いやすい・ハリがある・撥水性・バランス・安価なものもある
カシミヤ:デリケート・柔かい・保温性能・しっとり艶やか・高価
上記のとおりそれぞれマフラーとしての特徴を持っている。
まとめていくと、
全体的なバランスやメンテナンスのしやすさを重視するのであればウールに軍配があがる。
撥水性や100%ウールであればカシミヤより毛玉になりづらい部分など取り回しの良さが光る。
使いやすさのウールといった所。
一方、保温性能と柔らかさ、見てわかるしっとりとした艶感を重視するのであればカシミヤ。
デリケートでメンテナンスで気を遣う面はあるがやはりそこは高級素材、じっくりと付き合っていきたいものである。
以上のように用途や趣向に向き合い適正なものを選ぶ。
例えば自分の場合は普段使いはウール。使用頻度や雨や雪などの悪天候時でも気兼ねなく使いやすい。
同時にドレススタイルやフォーマルなど首元で高級感や質感を重視したい場合はカシミヤを巻く。
時と場所や環境によって使い分け使用している。
ウールとカシミヤ。
特徴をおさえ選ぶ。寒い冬にぬくもりの素材を巻こう。