パラブーツのシャンボード。
ぽってり丸みを帯びたフォルムにはっきりと主張する白ステッチにゴツいラテックスソール。
ともすればカジュアルに振り切ってしまいそうなディテールながらどこか上品、キレイな定番靴。
今回はそんなシャンボードの手入れ(メンテナンス)について。確認していく事にする。
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パラブーツのシャンボードの手入れ
購入から1年ほど経過した自身のシャンボード。シワもつき、そろそろアジも出始めてきた頃合い。
購入レビューと特徴についてはこちら
これまでに自分が行ってきた手入れについて、日常(普段)、定期メンテナンスにわけて確認していこう。
普段の手入れ
まずは普段の手入れから。
日常の手入れでは基本、ブラッシングのみ。一度履いたら必ずブラシをかけホコリを払う。
そして保管時は必ずシューツリーを入れておく。型崩れは最低限に抑えたい。
単純な行動であるがこれがあるとないでは靴の状態は全く違うものとなる。
手入れにおける基本中の基本。ここさえしっかりおこなっていれば他のメンテナンスで手を抜く事ができる。
自分も含め、手入れ不精、めんどうくさがりな人こそ普段の手入れを重視すべきと考える。
結果的にはその方が手軽な手入れで済ます事ができるから。
馬毛ブラシ
日常メンテナンスで使用するのは馬毛のブラシ。毛が柔らかくほこりを取り除くのに最適。力を入れる事なくブラッシングできる。
道具がある事で意識づけし習慣づけする事ができるのもメリット。
靴を脱ぐ際にその近くに馬毛ブラシを置いておく事によりルーティン可してしまうのがオススメ。
雨濡れ
シャンボードはリスレザーといわれる多くの油分を含んだ水濡れにつよいものを採用している。
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その為多少の雨や水濡れであればそこまで神経質になる事はない。
※もちろんどしゃ降りの中の着用であったり水たまりに浸かるなど過度なものは避けていきたい
よって仮に雨などで濡れてしまった場合は乾いた布で拭き取り通気のよい日陰で干しておくだけで良い。
必要以上に手がかからないというのはやはり魅力だ。
シャンボードの定期メンテナンスと方法
そして、日常の手入れでは行き届かない部分の定期メンテナンスについて。
一般的な革靴の定期メンテナンスとしては5、6回履いて一度行う程度が目安ともいわれている。
しかし、自分の場合は目で見て油分が少なく感じられたり、汚れがひどいと感じた場合にのみ行う。
着用頻度にもよるが概ね2、3ヶ月に一回程度のメンテナンス。しっかりと道具や汚れ落とし、クリームを用いて行う。
汚れ落とし
まずは汚れ落とし。
メンテナンス前の状態がこちら。
日頃のブラッシングの賜物かそこまで目立つ汚れはなし。
しかし、全体的にくすんでおり、艶や光沢は失われ油分が抜けて見える。
シワもはっきりと。
油分の多いリスレザーの為割れてしまう事は無いかもしれないが、質感がそこなわれてしまうのは避けたい。
内側部。無意識に足をくんでいるせいか線状にスレが見て取れる。
クリームを使用し、手入れする事で目立たなくできるだろうか?
さっそくメンテナンスを進めていこう。
手入れ前の準備
メンテナンスをする前に、靴紐ははずしておく。
面倒なのは承知の上だがシューレースに隠れた部分こそ汚れもたまっている。
次にシューツリーを入れる。
シワを伸ばした状態でメンテナンスを行うためこれも重要。
そして、パラブーツの象徴である緑タグを保護。
汚れやクリームが移りやすい為マスキングテープで覆う。タグは綺麗なまま履き込んでいきたい為必須と考える。
では、作業開始。
ブラッシング
まずはブラッシング。
ここでも登場の馬毛ブラシ。いつもどおりホコリを払い、表面についた汚れを取り除く。
ステインリムーバー
続いてはステインリムーバーを使用して汚れ落とし。
定期メンテナンスでは実はこれがもっとも大事だと考えている。
見てわかりづらくとも履き込む事で汚れは付着し、以前に使用したクリームが蓄積されている。
そのままメンテナンスを行ったとしても、厚化粧のようになり通気性をそこなう為、革に大きな負担がかかってしまう。
そこでステインリムーバーの出番。2、3滴たらし、布(使い古しのTシャツを使用)で拭き上げる。
汚れや余分なクリームを除去し、これから使用するクリームのノリを良くしてくれる効果がある。
靴の手入れにおけるリフレッシュ剤といえるだろう。
使用後の汚れ、古いクリームと色落ちした黒がはっきりと。
拭き上げ後、すっぴん状態となったシャンボード。これではじめてクリームを浸透させる事ができる。
クリーム塗布
余分な汚れを落とした後は、油分の補充、保革の為クリームを使用していく。
Mモゥブレイプレステージのクリームナチュラーレ
使用クリームはこちら。
Mモゥブレイ(エムモゥブレイ)のクリームナチュラーレ。
天然由来の成分を使用した乳化性クリームで、特徴としては非常に上品な香りと浸透力のある高い保湿効果がある所。
革靴本来の素材を活かす方向性。
所有するレザーアイテムの保湿保革、メンテナンスでもこちらを使用している。
ホワイトハウスコックスのレザーベルト
ワイルドスワンズのパーム
指で塗布。
浸透性が高いため、塗り終わったら程なくブラッシングに移行できる。
スピーディにケアできるためストレスも少ない。
塗布完了。しっとりと保湿効果が高いのが見て取れる。
自然な使用感が嬉しい。
鏡面磨きや補色に適したクリームではないがあくまで
ナチュラル。革そのものの美しさを活かす靴クリームだと言える。
好みや仕上げの方向性によって使うものは変わる。
他にもコロニルの1909シュプリームデラックスやサフィールノワールの1925、パラブーツの純正靴クリームなど様々なクリームを好みで使い分けている方も多い。
ブラッシング
クリームを塗り終わったらブラッシング。
豚毛のブラシでしっかりとブラッシング。
余分なクリームを取り除きつつ均等に馴染ませる。
ここが厚く残ってしまうと通気性をそこない、汚れ、革の劣化の元となる為入念に。
ブラッシング後。艶が戻り油分も感じられるように。仕上げまでもう一息である。
磨き上げ
最終的にはピカピカに磨き上げ、と言いたい所だが個人的にはそこまでは求めていない。
磨き上げ用クロスで仕上げ。
ある程度光るまでで完了。
内側の線状のスレも綺麗に消えている。
トゥ。艶出しもそこそこに。
鏡面磨きと言われるピッカピカの仕上げも存在するがそこは好みによる。
特にこのシャンボードの仕上げでは「自然かつ綺麗に」の方向性で考えており、ある程度輝くまでで完了。基本カジュアル靴として使用しているためその方が他の服との馴染みが良いと考えている。
まとめと今後の展望
以上パラブーツシャンボードの手入れ(メンテナンス)について。
もちろん手入れの仕方については様々見解がある為、今回行った方法がもっとも良いとは言い切れない。
● 手をかけすぎない
● 保湿保革を中心に
● 適度に綺麗
以上をコンセプトに無理のない手入れを行っている。
日頃のブラッシングや汚れを蓄積させない所を重視したメンテナンス。
継続が重要。所有のシャンボード。ゆっくりと履き込んでいこう。