ジーンズ(デニム)の色落ちを進めていくにあたって重要とされているのが洗濯。
なかでもファーストウォッシュ(初洗濯)は非常に重要。
なぜそのように言われるのか?
ジーンズのファーストウォッシュとは?初洗濯が重要である理由
ファーストウォッシュとは?どういったものを指していうだろう。
初めて行う洗濯(洗い)の事。
初回の洗濯が重要な理由
ファーストウォッシュが重要と言われるにはいくつかの理由が考えられる。
主だった所では糊落としと色の濃淡。
糊落とし
まずは糊落としについて。
購入したばかりのリジットデニム(生デニム)には糊がついており、これを落としてから穿き始める事が多い。
糊落としをしていないデニムは非常にかたく穿きごごちはわるい。そのまま穿くと折り目やシワに強い負荷がかかり破れが出てしまう事も想定される。
よって、1度目の洗濯(ファーストウォッシュ)はその糊を落とし、自然にデニムを穿いてく準備だという事が分かる。
実はあえて糊を落とさず穿き始めたりするケースもあるのだが、どちらかといえば少数派にあたるだろう。
メリハリの効いた色落ち
次の理由は、濃淡ある色落ちにするために初洗濯のタイミングが重要だから。
濃淡のあるジーンズにしたい。デニムのエイジング愛好家はこのように考えている。
その場合に初洗濯はできるだけ穿き込んだあとにおこなうのがセオリー。そうするとシワは深くつき、擦れる箇所のみの色落ちが進みメリハリがつきやすくなるという訳だ。
ファーストウォッシュのタイミングはデニムの色落ちの濃淡を大きく左右する。
自身がリジットから着用しているデニムも「メリハリある色落ち」の方向性を目指して穿き込みを進めており、ようやくファーストウォッシュのタイミングを迎える事ができた。
アーペーセーデニムの色落ちとエイジングについて
初洗濯前後の縮みや色落ちの変化について確認していこう。
初洗濯前後と色落ち変化と縮み
まずは洗濯前の状態から。
初洗濯前のジーンズ
所有購入後ノリも落とさず穿き続けた愛用のジーンズ。
ヒゲやハチノスをはじめとしたシワは定着し、穿き続けた結果かたさも取れいくらか柔らかくなってきた。
ヒゲ部。シワは深く刻まれ濃淡も現れはじめた。股上が浅いデニムのためヒゲの表情も豊か。
ハチノス部。できるだけ洗わずにいたのはこの部位にクセをつけておきたかったのもある。
えぐる様なシワはすぐ洗濯した場合には見られない。
膝部。放射線状につくられていくアタリ。まだまだこれからだがじっくり進めていきたい箇所。
裾部。ロールアップ穿きの為色落ちは進んでいない。
初洗濯の方法と手順
早速洗っていこう。
洗濯方法:つけおき洗い(手洗い)
洗剤:デニム用洗剤使用
諸条件:裏返しで行う・脱水は洗濯機使用・天日干し
今回のジーンズでは上記方法で進めていく事にした。
つけおき洗いで進める。
浴槽を使用しての手洗い。
ジーンズの全体がつかる程度に溜めた常温水を使用。温度が高いと意図せず色がおちてしまう為お湯は避ける。
使うはデニム用洗剤のJ washer(ジェイウォッシャー)。
無香料で色落ちをおさえつつ汚れを落とす事に特化した仕様。無駄な色落ちは抑えていこう。
デニム用洗剤の種類について
押し洗いしたのち30分程つけ置き。
すると茶色がかった濁りが現れる。糊がおちてこのような色になる為だがインディゴの青はわずか。デニム用洗剤の効果もあるのだろう。
シャワーでしっかりとすすぐ。洗剤残りを避けるため入念に。
脱水は洗濯機で5分。
裏返しのまま乾きやすいように全体を広げて干す。
しっかり乾かしゴワゴワの状態に戻す為に天日干しで行う。
天候にも恵まれ数時間後にはすっかり乾いていた。
ファーストウォッシュ(初洗濯)後の色落ち
洗濯後の状況もさっそく確認していこう。
全体。黒くて濃い箇所はなくなり全体的に青さがわかる。アタリの部分もはっきりと白くみえるようになったのがわかる。
バックから。シワはリセットされ色落ちした部分のみがあらわとなる。ハチノスとふくらはぎにあたる部分の色落ちが若干目立つようになった。
ヒゲ部は深いシワによる濃淡もはっきり分かる様に。なかなかの迫力、ファーストウォッシュのタイミングに成功したと感じている。
ハチノス部。クセはリセットされているもののしっかりとしたアタリが見て取れる。
裾部。
縮みのおかげかパッカリングがあらわれた。シングルステッチ特有のうねりのない直線的なシワもわるくない。
洗濯後ジーンズの縮み
リジットデニムは洗濯により縮む。
今回のファーストウォッシュではどれぐらいの縮みが出ているか確認していこう。
実測を行なった数値は下記のとおり。
ウエスト 38.5→36
股上 23.5→23
股下 83.5→81
裾幅 16→16
デニムによって大きく違うため一例とはなるが上記の通りの結果となった。
所有のapcの場合横に関してはあまり縮まないというのが通説だが、伸びきっていたと見られ結果的にはウエストでも2.5の縮みをみる事ができた。
縦は股上、股下プラスして3センチの縮み。かるくワンロール分は短くなった計算になる。
こちらのジーンズでは乾燥機は未使用。捻れや歪みは最小限におさえていく方針ですすめている為である。
ゴリゴリにねじれやキャタピラといわれるセルビッチ(赤耳)部のアタリを出したい場合には乾燥機に入れていくのが良いだろう。
ファーストウォッシュ(初洗濯)の重要性とまとめ
以上、ジーンズのファーストウォッシュについて。洗濯前と洗濯後では明確な変化があり、今後の色落ちも大きく左右する。
タイミングも非常に重要で、初洗濯までできるだけ長期間穿きこむことでシワが刻まれメリハリをつけやすくできる事を再確認した。
はやりファーストウォッシュは最重要。
洗い立てのゴワゴワ生地でリスタートしさらに穿き込みをすすめていこう。