【デニム用洗剤と種類】色落ちさせずに汚れのみを落とす専用洗剤について

デニムの色落ちにこだわりを持つ人は多い。

 

かくいう自分も、好みの色落ちに仕上げる為、あれこれと試行錯誤しつつデニムを着用している。

 

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そんなデニムの色落ちについて考える上で、切ってもきれないのが洗濯。

 

通常、洗濯といえば服の汚れを落とし清潔な状態に戻す為のもの。

 

デニムの場合は、ここに「色落ちさせる」「色落ちさせない」といった要素が加わる為、少しややこしい。

 

そこで登場するのが、色落ちを最低限に抑えるデニム専用洗剤。

 

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デニム用洗剤は必要か?

デニム用洗剤とは

デニム用洗剤。文字通りデニムの洗濯用に開発された洗剤の事。

 

【デニム用洗剤と種類】色落ちさせずに汚れのみを落とす

 

さまざまな種類があるが、一般的にはデニムの色落ちをおさえつつ、汚れのみを落とす為に開発されたもの。

 

ジーンズをはじめとするデニム製品は洗えば洗うほど色が落ちていき、繰り返すほどに濃い藍色(青色)から白に近づいていく。

 

もちろん、色の薄くなったアイスブルーのデニムも格好良い。

 

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しかし、「濃淡のある色落ち」を目指していく場合には洗濯時の色落ちは避けていきたい。

 

そう、できるだけ色を落としたくないのである。

そこでデニム用洗剤が必要になってくる。

 

ふつうの洗剤とデニム用洗剤の違い

では、通常の洗剤とデニム用洗剤では何が違うのだろう?

 

一般的な洗剤には蛍光増白剤や漂白剤、酵素などが含まれているものが多数ある。

 

これら「白くする為」「頑固な汚れを落とす為」に入っている一部が、インディゴの染料に影響を与え色落ちしてしまうのである。

 

もちろん上記が含まれる洗剤をデニムに使っていけない訳ではない。

 

しかし、

「色落ちにメリハリをつけたい」

「色を濃いままに着用したい」

 

このような穿き方を希望する人にとっては非常にデリケートな部分になっていく。

 

洗剤自体を使わず水洗いのみを敢行する事もできるが、それでは汚れは落ちきらず細菌の繁殖を招いてしまう事もある。

 

そこでデニム用洗剤がつよい味方となってくれる訳だ。

 

 

 

デニム用洗剤の種類

では、デニム洗剤の種類について、確認していこう。

 

デニム用洗剤には蛍光増白剤が入っていないものが多い

 

色落ちを抑える為、前述した蛍光剤や界面活性剤の使用をおさえたものや、色落ち防止剤を使ったものなど様々に存在する。

 

 

特徴から選ぶデニム用洗剤

様々な種類があるデニム用洗剤。特徴から絞り込み、選んでいこう。

 

スタイリッシュなデザインと香り

ザ・ランドレス デニムウォッシュ クラシック(THE LAUNDRESS)

ランドレスはアメリカ、ニューヨークの洗剤メーカーによる製品。

 

 

とにかくお洒落なパッケージ。

エッセンシャルオイルが配合されたリキッドタイプの洗剤。その上品な香りは無骨なジーンズに爽やかな使用感を与えてくれる。

 

柔軟剤が配合されているのも特徴でふっくらと優しい仕上がりも特徴的。

 

 

中性・無香料

ジェイウォッシャー(Jwasher)

蛍光増白剤不使用で中性、界面活性剤を4.6%までにおさえた合成洗剤。

 

 

香料なし、無着色でサラサラした使い心地。泡が少ないためすすぎもスムーズに行うことができる。

 

色落ち、素材への負担をおさえつつも汚れ落ちが良く、気軽に使用できる所も魅力。

自身でも使用している洗剤だ。

 

デニムメーカーの洗剤

ジーンズメーカー自らが開発するデニム用洗剤。色落ちを熟知したメーカーだからこそできる色落ちを考慮した洗剤へのアプローチ。

 

ストゥディオダルチザン(STUDIO D’ARTISAN)のジーンズ用洗剤

国内デニムメーカーの老舗ストゥディオダルチザン(STUDIO D’ARTISAN)のデニム用洗剤。

 

 

蛍光増白剤や漂白剤不使用。ヤシ油由来のせっけんを主に使用した合成洗剤。汚れを落としつつも色落ちは最低限に抑えてくれる。

 

柔軟剤も使われていない為デニム特有のザラ感を残したまま着用することができるのも特徴。

 

ジーンズ用洗剤(桃太郎ジーンズ)

桃太郎が表すブランド名のとおりジーンズの聖地児島ではじまったデニムメーカー「桃太郎ジーンズが開発した洗剤。

 

 

特徴としてはヤシ油を原料に使用の液体洗剤。蛍光剤や柔軟剤などの添加剤不使用で中性、洗いざらしの使用感が特徴。

 

水洗いではものたりないがあくまで自然に汚れを落としたい。風合いをそこなわない使用に適している。

 

 

サムライ雷石鹸(サムライジーンズ)

1998年に大阪にてはじまったサムライジーンズ開発のデニム用粉せっけん。

 

 

今回紹介する中では唯一の粉石けんで蛍光増白剤などの添加物は無し、大豆油を原料としており優しくも汚れはしっかりと落としてくれる。

 

純石鹸分99.9%で生地に負担を与えず自然な使いごごちを提供してくれる。

 

色落ち防止剤

ドマル(domal)

ドイツのメーカー。色落ち防止剤を配合した濃色衣類専用洗剤でアミノ酸誘導体を使用しており、生分解率99%以上と環境に優しい成分で構成されている。

 

 

蛍光増白剤、漂白剤はなしの合成洗剤で酵素入りで色落ちをおさえつつしっかりと汚れを洗浄してくれる。

 

 

一般洗剤

番外編といえるだろう。デニム用と銘打っているわけではない一般用の洗剤。しかしあなどるなかれおしゃれ着洗いだったり色褪せ対策をほどこしたメーカーの技術力はここにも発揮されている。

ライオン(Lion)アクロン

蛍光増白剤なし、手洗いでも高い洗浄効果があるため、染み付いたにおいや汚れにもしっかり対応する事ができる。

 

 

柔軟作用があるため仕上がりはふっくら柔らかい。縮みや色落ちをふせぎつつもデニムを清潔な状態へ戻してくれる。

 

花王 エマール

花王を代表するおしゃれ着用洗剤。

 

 

蛍光増白剤および漂白剤不使用で無駄な色落ちをおさえる事ができる。

全体的に汚れ落としとしてはそこまで強力ではないが他のデリケートな衣類と併用できるためあえて「デニム用」を使わないのであれば非常に使い勝手が良い。

他の洗剤よりもすすぎをしっかり行う必要があるため注意。(2回は必要)

 

 

まとめ

以上、メリハリの効いた色落ちを目指すために使われるデニム用洗剤。一部デニム用とされていないものも紹介したが最終的には用途に分けて選んでいきたい。

 

自身の理想のデニムの方向性を見極めること、それに沿った洗剤を選ぶこと。

 

自分の場合、所有のa.p.cデニムの洗濯時にはジェイウォッシャーを使用している。

 

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洗濯回数は最低限におさえたい。その為洗浄力は一定のレベルを保ち、香りのするものを避け無香料で。

このように考えてのセレクト。

 

自身のデニムに適した洗剤を選ぶ事で目指す色落ちに近づいていく事にもなるだろう。

 

こだわりの色落ち。

デニム用洗剤のセレクトはその一歩となる。