【デニムとヒゲ】ジーンズの太もも上部(脚の付け根)のシワと色落ちについて

デニム(ジーンズ)における最大の特徴、それは色落ちだと考える。

 

生地や穿き方、洗濯やライフスタイルによって様々に表情を変える色落ちは、デニム好きを惹き付け離さない。

 

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そんなジーンズの色落ちでよく取り上げられ、話題にのぼるのが「ヒゲ」。

 

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デニムとヒゲ

今回はデニムにおける色落ちの花形、ヒゲについて。くわしく確認していく事にする。

 

ヒゲとは?

そもそも、ジーンズのヒゲとはどういったものを指すのだろう?

 

【デニムとヒゲ】ジーンズ太もも上部(脚の付け根)の色落ちについて

 

ヒゲとは、太もも上部(脚の付け根)の箇所にあらわれるシワとそれに伴った色落ちの事。

 

名称どおり、ヒゲのように横に延びたシワ。これが擦れることで色が落ち、こすれない部分との間に濃淡があらわれる。

 

これがジーンズ(デニム)のヒゲの正体。

 

 

 

 

 

ヒゲのかたちと種類

そんなヒゲは穿き方、ジーンズのかたち、フィッティングなど様々な要素によってかたちづくられ、ふたつと同じものができることはない。

 

いくつかに分類できるヒゲのかたちと種類についても確認していこう。

 

自然(ナチュラル)なヒゲ

まずは、自然なシワと擦れによってつくりだされたナチュラルなヒゲ。

 

 

出典:levi.jp

 

非常に綺麗な色落ちでヒゲもナチュラル。ラフなアイテムであるジーンズが上品にすら映る。

 

主張も控えめであるため、着こなしやコーディネートを考える際にも非常につかいやすい。

 

 

バキバキ・濃淡のはっきりとしたヒゲ

次は濃淡のはっきりした「バキバキ」といわれるヒゲ。

 

 

出典:ware-house.jp

 

濃色な部分と擦れて白い部分もコントラストが美しい。直線的にのびるのシワと落ちはまるでトラのヒゲのようだ。実際バキバキのヒゲの事をタイガーラインと呼んだりもする。

 

デニム(ジーンズ)は洗わない

 

バキバキの高コントラスト。

 

穿き込みの度合いやサイジングなど、様々な要素が重ならないとこうはならない。

 

 

ゆったりしたワイドなデニムの間隔の開いたヒゲ

最後はゆったりとしたサイジングで穿くワイドデニムのヒゲ。

 

 
 
 
 
 
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ワイドシルエットに映える味わい深い間隔の開いたヒゲ。非常にダイナミックである。

 

細かいシワが出来づらいが、穿き込みや取り扱いによってはここまで濃淡をつくる事もできる。

 

後述するが、この間隔の開いたヒゲはかなり特殊な例で、かなり根気をいれて挑まないとここまでの濃淡をつくるのは難しい。

 

 

ヒゲの出し方

それでは上記のようなヒゲ。いったいどうすれば出す事ができるのだろうか?

 

何もしなくても出るヒゲと色落ち

実はこのジーンズのヒゲというもの、特別なものでも何でもない。なぜならその正体はただのシワだから。

 

立ったり座ったり、ただジーンズを穿いていくだけで自然にあらわれるものである。

 

基本的には何もしなくともただ穿き続ければ出す事が可能なヒゲ。実際自分がただ適当に穿いて、数回着用ごとに通常の洗剤を使って洗っているリーバイスのデニムがこちら。

 

何もしなくてもできるナチュラルなヒゲ

 

濃淡はあらわれ、ヒゲがついてきている。

 

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しかし、そこまで深いシワが刻まれている訳ではなく、濃淡の出方もよわい。

 

これよりもさらにはっきりしたヒゲをつくりたいのであれば話はかわっていく。

 

 

はっきりとしたヒゲをつくる方法

では、はっきりしたヒゲのつくり方について考えていこう。

 

つくるというと何だか人工的に感じるかもしれないが、前述したとおりある程度のヒゲは自然にできるもの。

 

しかし、バキバキと濃淡のつよいヒゲをつくる為には少しばかり条件が必要だと考える。

 

 

タイト(ジャスト)なサイズ感

まず大事なのはサイズ感。

 

タイト、ジャストサイズで濃淡のあるヒゲをつくる

 

このようにあくまでジャストサイズで、しっかりとタイトフィットしたものが理想。

 

なぜなら、ヒゲ=しわだから。ジーンズをジャストサイズで着用する事で、シワは細かくはっきりとあらわれ、つよい凹凸をうむ。

 

以前の記事で取り上げたが、ハチノスの出し方においても同様。

 

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一方、ルーズフィットのジーンズを選んだ場合メリハリ効いたヒゲをつくるのはなかなかに難しい。

 

太くゆったりしたジーンズでは、間隔のあいたシワができる一方、深いシワ、凹凸はできづらい。

 

その為、よっぽど穿き込みを続けるか洗濯回数、作業による擦れの度合いを調整していく必要がある。

 

ゆったりワイドなジーンズはヒゲがつきづらい

 

所有のテンダーのデニム。穿き込みの期間が短いため比較しづらい所ではあるが、やはりゆったりしたサイズ感では深いシワ、メリハリはつきづらい。

 

そこをなんとか、このデニムに関しては根気強く穿き込んでいくつもりである。

 

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洗濯

そして、色落ちを語るうえで切っても切れない洗濯問題。

 

デニムの色がもっとも落ちるのは洗濯時。それまでに擦れた部分は水によって落とされ、洗剤によってはさらに色落ちを進める事になる。

 

だから、洗濯方法を変えることで色落ちを抑えたり、洗濯回数そのものを最小限で行う事でデニムの濃色維持に努めるのも有効。

 

デニム用洗剤を活用したり、ファーストウォッシュまではとにかく洗濯をひかえシワを定着させるのもひとつの手。

 

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もちろん、デメリットとして生地を劣化させてしまったりにおいや衛生上の問題もある為、適度にバランスをもって進めていく必要はあるだろう。

 

 

 

 

屈伸

繰り返しになるが、ヒゲの正体はシワである。

 

その為、立ったり座ったり(屈伸)を繰り返す事でシワは深いものとなり、そこが擦れることで濃淡ははっきりとわかるようになる。

 

屈伸を多く行うような仕事、作業を行う人であればより短期間でヒゲ部の色落ちは進んでいくだろう。

 

上記の条件や環境に合致していれば、ただ穿いているだけでも濃淡のはっきりしたヒゲをつくる事は可能だろう。

 

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まとめ

以上のように、ジャストなサイジング、洗濯頻度と方法の調整、屈伸や擦れの環境で穿き込む事によりはっきりとしたヒゲはつくり上げる事ができる。

 

ヒゲはデニム(ジーンズ)の表情をあらわす大事な部位。

だから、好みの色落ちを目指し試行錯誤することは非常に楽しい。

 

それぞれが考える「良い色落ち」に向かっていく進めていくジーンズの穿き込みならではのものだと考える。

 

はっきりと濃淡のあるヒゲの色落ち

 

こちらは自身が愛用しているa.p.cのプチスタンダードのヒゲ。穿き込み2700時間を越えた現状は、濃淡もつよく現れはじめている。

 

洗いは最低限に、サイジングはジャスト、歩いたり屈伸したりの作業ができる際は出来る限り穿くようにしたのが効いているのだろう。

 

ジーンズの色落ちの花形であるヒゲ。自身の穿き込みや扱い方によって様々な表情をみせてくれるだろう。

 

それぞれのヒゲを楽しもう。