リーバイス(levis)の501。
言わずと知れたデニムの基本。オリジナルであり、ジーンズの教科書そのものと言っても良いだろう。
自分はデニムがきっかけでファッションに興味を持った。だからジーンズ、501が無かったらブログを書く事もなかったと言える。
今回は、自分にとっても大きな存在であるリーバイスの501について。所有する90年代レギュラー米国製(メイドインUSA)のディテールと色落ち(経年変化)に触れながら、確認していく事にする。
リーバイス(levis)レギュラー501米国製(メイドインUSA)について
リーバイス(levis)の501は現在までずっと同じ形ではなく、製造年や地域、企画によってその姿を変えて存在している。
リーバイス(levis)501と変遷
501の変遷やディテールの違いについては本当に細かく膨大である為、ここで全てをまとめるのは難しい。
よって、ここではおおまかにまとめさせていただく事にする。
ディテールに関しては、初期型からリベットやステッチなどの形は変わっていき、それまで必要とされていたものが時代や環境により省略されていった。
シンチバックや特定の部位につけられたリベットがその代表例。
くわえて、技術の進歩によって補強の精度や機能性も増していったのが主な変遷となっている。
シルエットに関しても変化が見られ、初期型になるほどワーク然とした太いシルエットであったが時代が進むにつれて細身のものへと変化していった。
同じリーバイス501でも時代によって仕様が違うという事になる。
米国製(メイドインUSA)501レギュラーの特徴・ディテール
さまざまな条件によりかたちを変えていったリーバイス501。現在所有している物は以前にほぼリジット状態の古着を見つけ、購入に至った一本。
90年代米国製(メイドインUSA)のレギュラー501。
特徴とディテールについても詳しく見ていこう。
シルエット
まずはシルエットについて。
リーバイス501はジーンズも王道。かたちについてもベーシックなストレートとなっている。
501は70年代に製造されたものから次第に細みのシルエットに変化してきており、所有の90年代501もそれに準じたプレーンなストレート。
膝下から緩やかににテーパードがかかった太すぎず細すぎないスタンダードなシルエットは穿く者を選ばず万人に合わせやすい形となっている。
多少の変化はあるものの、現行品に関してもこのシルエットを受け継いでいる。
ディテール
各ディテールについてもふれていこう。
501の象徴赤タブは90年代につきスモールe。きれいなインディゴブルーによく映える。
バックポケット部のアーキュエイトステッチ。ステッチはオレンジで、2本針で縫われる事で中央にクロスができるのも特徴的。
フロントはボタンフライ。シュリンクトゥフィットにより縮みが出ても留められる様になっている。シルバーのブランド刻印ボタンがシンプルで格好よい。
バックポケット裏はバータック(カンぬき)仕様で隠しリベットは無い。
耳なし。脇割と呼ばれる生地端をロックミシンによるかがり縫い(白糸)が施された仕様。
紙パッチ採用。「501」と品番が印字され、お馴染みのツーホースマークが印象的。
2頭の馬がジーンズを引っ張る様子が描かれており、デニムの丈夫さをアピールする伝統的なデザインとなっている。
旧型に採用されていた革パッチに比べ、洗いによって縮むこともない為取れてしまう事は少ない。こすれてアジがでる等独特の雰囲気を楽しんでいきたい。
米国製(メイドインUSA)501レギュラー製造年の見分け方
リーバイス501は前述したとおり製造年によって仕様が多岐に渡る。その為、年代判別に関しては愛好家の間でとくに熱が入る部分。
所有している90年代の501に関しても見分け方は存在し、情報を読み取る事は可能だ。
方法としては、内側に縫い付けられたタグから判別する事ができる。
メイドインUSAの表記にサイズと素材の表記。取り扱いに関する文言も見て取れる。
そして実は重要な裏面がこちら。
まずは最下部左側の記載から。この箇所は製造工場を示しており、553工場で製造されたものと知る事ができる。
続く0298の記載。これこそが製造年月の表記であり前部2ケタが月、後部2ケタが年を指し、98年2月に製造されたと判別する事が可能。
トップボタン裏と米国工場
トップボタン裏と製造工場について。
フロントのトップボタンの裏には情報が詰まっている。
所有501のトップボタン裏には553の刻印。実は内側タグの553の表示とここがリンクする。
この製造工場の刻印であるが、が5○○のように頭が5から始まるものであれば米国製(メイドUSA)のものと判別する事ができる訳だ。
ちなみにこの刻印(内側タグ)が555だったとすると有名なバレンシア工場製という事になる。当該553の製造工場に関しては、かなり調べはしたもの米国製という以外は不明なままであった。
今となってはますます希少になっていくばかりの米国製501。しっかり穿き込み愛用していきたい。
レギュラー501の色落ちと経年変化
色落ちと経年変化について。
他にも穿き込みを進めているジーンズはあるが、ほとんどのものは洗うタイミングや穿き方など細かく気にしながら進めており、どちらかというと慎重にエイジングを進めている。
しかし、このリーバイス501に関しては良い意味で適当。ざっくり穿いて気楽にエイジングさせたい。
このように考えていた。
3500時間までの色落ちと経年変化について
色落ちと着用方針
数回穿いたら洗う
通常の洗剤を気にせず使用
色落ち方針:メリハリにはこだわらず全体的に色を落としていく
着用環境:ロールアップとハーフクッション半々
ファーストウォッシュまでは半年穿き続けたものの、それからは2、3回穿いたら洗うを繰り返していった状態。
デニムのファーストウォッシュについて
メリハリは重視せず、自然できれいなライトブルーを目指して進めていった。
ヒゲ、ハチノスにもこだわらない。不自然なダメージには注意して穿き込んでいた。
1000時間経過の色落ちとエイジング
1000時間経過時点での状態。
全体像。
いくらかメリハリがついているのが分かるのだが、それにしても色落ちの進みは遅い。もちろん穿き方もあるのだがエイジングのスピードとしてはゆっくりだと感じていた。
フロントのヒゲ部。現状はうっすらといシワが見える程度。
ぴったりしたサイジングで穿いている為、洗濯頻度を下げて穿き込めばメリハリをつける事もできただろう。
しかし、今回はあえてヒゲについても無視して進めていく。
バックポケット周辺。座りが多い為か下部を中心に色落ちしている。
洗いが多い為よく縮み、パッカリングもはっきりとしている印象。たまに乾燥機に放り込む事もあるのでその影響も受けている。
この501米国製ではあるが、90年代の生地である為タテ落ちが見れる訳ではない。
脇割。セルビッチもないので特有のアタリも出ない。
裾もシングル仕上げである為チェーンステッチのようなうねるパッカリングも見る事はできない。しかし、この自然なアタリが魅力となっている。
淡い色落ちを目指す。これもひとつの目標であり、楽しんで進めていきたい。
アイスブルーの色落ち2000時間経過後の経年変化についてはこちら
3500時間目の色落ちと経年変化
そして3500時間経過のレギュラー501。
穿き込みと洗いが進みずいぶんと変化が見られる様になった。
全体像。白く青くクリーンな色落ちが見て取れる。
バック。フロントよりもアタるためか色落ちが進んでいる。
ヒゲはほどほどに、全体的が綺麗な青色に。
バックポケットおよび臀部はよく擦れる為白く褪色している。
よく洗っているためハチノスはほとんど見られない。
フロント部はボタンフライの箇所に沿って色落ちが見られる。
膝まわりは程良い色落ちが。
紙パッチはよく擦れ文字が見えないほどに。ちょくちょく乾燥機に入れいている為いいアジがでている。
美しいブルージーンズまではもうひといき。まだまだ途中といった所。
リーバイス501米国製(メイドインUSA)レギュラーのディテール色落ちとまとめ
以上、リーバイス501米国製(メイドインUSA)レギュラーのディテールと色落ち(経年変化)について。
90年代の米国製(メイドインUSA)といってもあくまでもレギュラーモデル。ヴィンテージに比べればつよいメリハリもつきづらい。現行の一般ブランドで展開されているリーバイスをモチーフとしたきらいなシルエットのジーンズとも違う。
特徴としてはリーバイスらしい、なんともざっくりとベーシックかつ伝統的な仕様。
そのプレーンさゆえに手にするものに穿き方を委ねている。
いつの時代もその人らしく好きにジーンズを楽しめる所に最大の魅力があるのだろう。
ジーンズの基本であり王道501。自分らしくデニムを穿こう。本当のスタンダードがここにあった。