パンツを選ぶ場合、デザインや生地はもちろんシルエットに注目して選ぶ人は多い。
その際、見るべき重要ポイントのひとつに股上の浅さ(深さ)がある。
今回はズボンにおける股上について。
その測り方に触れながら股上の浅いパンツと深いパンツについての違いについても確認していく事にする。
股上とは?
では股上とは?どんな部分を指していうのだろう?
股上について
股上:ズボンの分かれ目(縫い目)から上の部分
股の中央のステッチ(十字の交差部分)からウエストの上端までを計ったものが股上の深さ、という事になる。
股上の測り方
では、股上の測り方についても確認していこう。
股上を計測する場合、股の付け根(パンツの分かれ目)の縫い目からウエスト部上端までの長さを計る事になる。
この数値が大きければ股上が深い。小さければ股上が浅いという事だ。
実際に、所有しているデニムの股上を比べながら採寸していこう。
こちらはリーバイスの501。ウエスト上端にスケールを当て、
付け根(縫い目)までを測る。パンツの種類によっては交差部がわかりづらかったり伸ばしながら採寸しないと難しいため注意する。
結果、501のジーンズの場合股上が27センチ。一般的にはやや深めの数値だといえる。
リーバイス501についてはこちら
一方、アーペーセー(a.p.c)のプチスタンダードの場合。
丁寧に採寸。測る前から股上が浅い事は知っていたが、結果は23センチ。
非常に浅い股上だといえる。
浅い股上A.P.Cプチスタンダードについて
以上より、501の方が股上が深く、プチスタンダードの方が股上が浅い。という結果になった。
たかが4センチと感じる方もいるかと思うが、これが大きく違う。
スケールでリーバイスの股上下部とアーペーセーの股上下部を比べたのがこちら。
リーバイスの方が分かれ目(縫い目)が下の位置にあるのが分かる。
穿いてみると特にわかるがフィット感やシルエットなどまるっで別物となる。
では、股上の浅い深いによるパンツの見え方(シルエット)と違いについても詳しくみていこう。
股上の浅いパンツ
まずは股上の浅いパンツの見た目(シルエット)と穿き心地について。
股上が浅いパンツの見た目(シルエット)
股上が浅いとは、股の分かれ目からウエスト上端までが短い状態。
やややタイトなボトムスに多くみられ、ハイライズジーンズもこれに該当する。
見た目の印象としてはすっきりと足が長く見える。同じ腰の位置で穿いたとして股の分かれ目の部分が上の方に来るのが特徴。
バックシルエットが非常に格好良いのが、これら股上が浅いパンツの特権であろう。
股上が浅いパンツの穿きごごち
股上が浅い場合、必然的にフィット感をかんじるようになる。
穿く人によっては窮屈にとらえられる事はあるだろう。しかし、ピッタリとサイジングを合わせた細みのパンツは気持ちが引き締まり特有の心地よさを与えてくれる。
細みのシルエットが多いA.P.Cのジーンズ
股上の浅いパンツの肝はこのフィット感のあるといって良い。
しっかり穿きたい。腰。太腿に沿ったきれいなラインに特徴があるのが股上が浅いパンツとなる。
ジーンズでも穿き心地の関係からストレッチ機能を加えたものも多い。
股上の深いパンツ
一方の股上が深いパンツの見た目(シルエット)と履き心地について。
股上が深いパンツの見た目(シルエット)
股上が深い、すなわち股の付け根からウエスト上端までが長い状態。
股上の深さは、無骨でラフな印象を与え、同じ腰の位置で穿いた場合ジャストフィットの腰部でも比較的ゆったりして見せる事ができる。
ざっくりカジュアルな雰囲気は股上の深いパンツの得意分野。
リーバイス501が時代を超えて愛されるのは程よい股上の深さが醸し出す無骨さがあっての事だろう。
股上が深いパンツの穿きごごち
股上が深いパンツの穿き心地について。
股上が深い場合はゆったりと余裕があるためとにかく穿きやすい。
その分フィット感はなくなる為ピッタリと穿きたい人にとっては不向きであるが、窮屈さがなく、リラックスした履き心地を楽しむならこちらに軍配があがる。
ワークパンツやワイドパンツ、ヴィンテージ系のジーンズなどシルエットとしては太めのパンツに多く見つける事が可能。
ゆったりラフな着こなしをとことん楽しめるのがこれら股上の深いパンツたちだろう。
まとめ
以上、パンツにおける股上について。
股上の浅い、深いによって見た目(シルエット)や穿き心地は大きく違う。
ボトムスをシルエットから選ぶ際、股上を中心に考えることで着こなしの幅も自然と広がっていくだろう。
股上の浅いパンツと股上の深いパンツ。フィット感と穿き心地で使い分け、楽しんでいこう。