ロールアップ(roll up)とは?
シャツの袖やズボンの裾を巻き上げること。
ボトムスを捲る(まくる)ことで視覚面や機能面で効果があり、昨今のファッションではあたりまえのように使われている。
パンツの裾を捲り上げるだけの単純な着くずしではあるがこれが実に奥深い。
今回は着こなしにおける定石。ロールアップについて。
その種類や見え方の違いについて、見ていく事にしよう。
ロールアップによる効果
ロールアップする事でどう見える?
ボトムスの裾をロールアップ。
ただパンツをまくり上げる事のように思えるが、どのように見え、どんな効果があるだろう?
なんとなく行うことも多い着くずしのひとつ。実際にどんな印象を与えるであろう?
裾を引きずらない
裾が長すぎる場合、通常は適正な箇所まで切って裾上げする。
その際にもうひとつの手段として登場するのがロールアップ。
長い裾はたるませればアクセントにもなる。
しかし上手く処理をしないと床を引きずりやがてはボロボロに。それをアジと捉えたり(特にデニム)格好良く取り入れる手法もある。
しかし、やりすぎはだらしない。
これをロールアップで回避する。
軽く見せる
裾が長ければ見た目の印象は重くなる。
コーディネートであえてそう見せる事もあるがバランスとしては少し難しい。
それをロールアップする事で軽快に見せる。
ボトムスも靴もダークトーン。重い組み合わせになる所をロールアップで軽く見せる。
靴下を見せる
ロールアップによる靴下見せ。
単調になりがちなコーディネートの際は色柄を出してアクセントとして使う。
それ以外にも中間色でぼやかしたり、靴と同色のものを選びコーディネートに馴染ませる。
靴下見せは足元の表情つくりに有効だ。
靴下を履かずに素足を見せで軽く涼しく見せるのもひとつ。
裏地を見せる
ロールアップすることでボトムスの裏地は見える。
裏地は表と違う色や風合いを持っている。それを見せる事によりポイントを加える。
裏地もデザイン。
アクセント
ロールアップ箇所に目線を誘導したり靴とボトムスを分断して見せたりする事が可能。
捲りあげた部分によりシルエット全体にメリハリをつけやすい。
セルビッジ(耳)付きのデニムの場合、直接見せて主張させる事もできる。
捲り方(まくり方)の種類と比較
ロールアップの捲り幅(まくりはば)や回数、かたちによって見え方は変わる。
一回折り返しただけ、二回まくった場合、折り返しの幅。まくり方の種類によってどのように見えるのか。確認していこう。
ひとまき・ひと折り(ワンロール・シングルロールアップ)
わずかなアクセント。ボリューム感はない。裾が長すぎる際に丈を少しだけ調整する事が可能。自然な調節できる。
ふたまき・ふた折り(ツーロール・ダブルロールアップ)
厚みが出る分アクセントはつよい。靴を目立たせたい場合やパンツの裾を絞って見せたい場合にも有効。
以上のようにシンプルなワンロールとツーロールを比べただけでもまったく違う。
捲り幅の太さでも大きく異なるし、綺麗に折り返すかクシュクシュと丸めて捲るかでも違いは現れる。
前部のみの折り返し
前だけ折り返している。
横から見るときつく絞ったテーパードシルエットに見せる事ができる。スラックスなどの薄手のパンツに向いている裾の捲り上げ。
まくり幅大きめの太いロールアップ
カジュアルで軽いイメージ。無骨なデニムにおいてはかわらしい雰囲気をつくる事ができる。
太いまくり幅はコンバースのようなハイカットスニーカーやカッチリした編み上げブーツとも相性が良い。
短くまくり上げることでシルエットをキレイに見せる事ができる。
ダブルターンアップ
二度の折り返しをしたうえで端をずらし見せる巻き上げ方で元々はカウボーイによって行われていた方法。
チェーンステッチのうねりやシングルステッチのパッカリングなど見せる事ができる。
ダブルターンナップといえばテンダーの130
まとめ
このように、ロールアップの違いだけでも足元の印象を大きく変える事ができる。
着こなしというものは本当に奥が深い。
ロールアップ。その微差を追求しよう。