ジーンズの色落ち。
生地や穿き方や好み、はては洗い方によっても様々な違いを見せる。
そんなデニムの色落ちを語る上で、欠かせない部位がハチノス。
膝裏にできるのシワとその色落ちのの事でありデニムの色落ちにおける重要ポイントのひとつ。
今回は、いわゆるそんなハチノスとその色落ちについて。くわしくみていく事にする。
ジーンズとハチノス
ハチノス(ハニカム)とは?
膝の裏にあたる部位のシワ、およびその箇所の色落ちの事を指す。
なぜそう呼ばれるかといえば、その名のとおり蜂の巣のような形状をしているから。
六角形を並べた様なかたちで、英語でいうところのハニカム。
ハチノスは格好良いのか?
ハチノスがついたジーンズははたして格好良いのだろうか?
はっきりと言ってしまうが一般的には賛否両論。
メリハリの効いた膝裏の色落ちは格好よい。
自分はこのように感じているのだが、一方で「大げさな膝裏のシワと色落ち」は好きではない。こういう人もいる。
メリハリのあるハチノスとそうではないハチノス。
その両方の色落ちについて、確認していく事にする。
ハチノスの色落ちと種類
メリハリの効いたハチノスとそうでないハチノス。いったいどのように違うのだろうか?
メリハリのあるハチノスの色落ち
まずはメリハリの効いたハチノスの色落ちについて。
はっきりくっきりメリハリがついた色落ち状態を指しいわゆる「バキバキ」といわれている。
バキバキ
メリハリがついたバキバキの色落ち状態はどうやって作られるのか?
クセがついた折り目の箇所のみが色落ちし、そうでない箇所はインディゴが色濃く残る。
この濃淡のあらわれがバキバキと言われるバキバキの正体である。
自分が所有し穿き込みを進めているa.p.cのプチスタンダードのハチノスがこちら。
膝裏のクセがついた部分だけが色落ちし、その他のクセがついていない部分は色落ちせずそのまま残っている。
アーペーセーのジーンズについて
バキバキの育成はまだまだ続いていく。
メリハリのないハチノスの色落ち
一方でメリハリのないハチノスの色落ち。
同じく、所有のリーバイス501の膝裏。
まったくといってよいほどハチノスはできていない。それもそのはずほぼ穿く度に洗いをかけているからである。
多少のシワはついているものの洗いをかけてしまえばすぐに消える。
濃淡をつけたくない人にとっては、このようにフラットなハチノスを好む人も多い。
あくまでナチュラルに自然体な色落ちを楽しむならばこちらをおすすめする。
リーバイス501の色落ち進捗について
ハチノスができるできないの条件
では、このようにデニムや穿き方で違いの見えるハチノス。どのようにしてできていくのだろう?
ハチノスができるの条件について、下記のとおりまとめる事ができた。
膝を曲げる機会が多い
洗濯回数が少ない
タイトなサイジング
リジットデニム
以上がはっきりしたハチノスをつくる条件。
さらに詳しくみていこう。
膝を曲げる事でできるハチノス
ハチノスとはシワの事。
よって、ジーンズの膝を曲げ負荷がかかり、折り目が付く事によってつくられる。
極端な事をいえば、膝をいっさい曲げないようにすればシワができる事はない。
よく屈伸をするライフスタイル(仕事や環境)であればハチノスははっきりと現れ、逆に立ちっぱなしでほとんど膝を曲げることがなければハチノスは現れない事になる。
屈伸によるハチノスの出現。第一の条件だ。
洗濯とハチノス
そして、ハチノスとは切ってもきれない関係にあるのが洗濯。
ジーンズのファーストウォッシュについてはこちら
デニムを洗う洗わないについては皆さまも色々と考えをお持ちの事だろうがこのハチノスに関しては実にシンプル。
洗えば洗うほどハチノスは現れない(消える)。
基本的にはこのような考えとなる。
もちろん「洗濯しない」事を推奨している訳でなく、衛生面や生地の傷みの心配もある為きれいに穿きたい場合はむしろ頻繁に洗濯するべきであろう。
しかしハチノスの観点だけで考えれば洗いの回数や頻度が多ければ膝裏のクセやシワはリセットされうすくなっていく。
そのため「とにかくはっきりとしたハチノスを出したい」という事であれば洗わずにとにかく穿きこむという事になっていく。
メリハリを重視するか否か。自身が目指す色落ちとのバランスを見極めて穿きこんでいく必要があるだろう。
デニム専用洗剤についてはこちら
サイジングとハチノスの関係
続いてのハチノスができる条件、それはサイジング。
ハチノスは膝を曲げることによってできる為、タイトなサイジングであるほどシワの間隔は細かくついていく。
フィット感のあるジーンズをセレクトする事によってできる深い折り目とシワ。これによってはっきりとしたハチノスは出来上がる。
タイトフィットでつくるハチノス。独特の魅力がここにある。
リジットデニム
そして最後の条件がリジットデニムである事。
もちろんリジット(生デニム)の状態からでなくともハチノスは現れる。しかしより固くノリが効いている状態から穿きこんだ方がより深いシワが刻まれ、固定されるはっきりとしたハチノスが形成される訳である。
それにともなって初回の洗濯が重要なのはこの為で、できるだけシワが定着するまで洗わずに穿き進めることでメリハリのある色落ちはできあがる。
リジットの状態をできるだけひっぱること。はっきりしたハチノスをつくりたいのであれば欠かせない。
初洗濯とハチノスの関係は非常に深い。
まとめ
以上、はっきりとしたハチノスができる為には条件があり、なかなかに奥が深い。
最終的には、自分が目指す色落ちのなかでハチノスをどのようなものに仕上げたいかでその穿き方は変わっていく。
バキバキと濃淡をつけたいのか?自然な色落ちを目指すのか?
さあ育てよう。後ろから見たジーンズの表情はそのハチノスにかかっている。