こなれたお洒落
こなれ感。
「こなれている」や「こなれ感が出ている」など一度は耳にしたことがあるだろう言葉。
正直なにやらよくわからない表現。直感的にプラスイメージだと認識しているがどういう状態を表すものなのだろう?
今回はこの非常に曖昧な「こなれ感」について掘り下げていきたい。
こなれ感とは?
そもそも、こなれているとは?
こな・れる(▽ 熟れる)
1. 食べた物が消化される。「胃のぐあいが悪く、食べ物がよく―・れない」
2 .世慣れて円満になる。かどがとれる。「人間が―・れてきた」
3. 物事に熟練する。無理なく思いのままに運用できるようになる。「芸が―・れる」「―・れた文章」
4. 調和の取れた状態になる。「じっくり煮込んで―・れた味になった」「地味だが―・れた着こなし」
5. 動きがおさまり、落ち着いた状態になる。「人気の新製品も当初に比べ価格が―・れてきた」
よくかみくだかれ調和が取れている様(さま)。
お洒落においては頑張って格好をつけた感じを出さずともバランスが取れ、着こなしている状態の事である。
文字にすると少しややこしい。
「さりげなく格好良い」や「さりげなくバランスが取れている」など背伸びしていない様子。
あからさまにお洒落をするよりも惹かれる部分がある。さりげない格好よさ。それを目指していきたい。
こなれ感の出し方
ではファッションにおけるこなれ感はどうしたら出せるのだろう?
わかりやすく考えるにひとつだけ。
お洒落におけるこなれ感を出す方法。それは「くずし」である。
くずし?これもまた曖昧な表現である為くずしの手法(種類)について具体的に見ていこう。
ロールアップ→ 例えばよく穿かれているデニム。フルレングスで穿くのも良いが、軽さが欲しい場合適度に裾を捲り上げる。
くるぶしを出したりくしゅくしゅとわざとラフに捲くることでくずした雰囲気になりとたんに軽く見える。
ロールアップについて
抜襟(ぬきえり)→ レディースでおなじみのアレ。メンズで使わないだろうと思うかもしれないが、過度でなければ実は使える着こなし。
軽く襟を抜いて着ることでシャツやジャケットのシルエットやインナーの見え具合が変化し着崩すことができる。
抜襟していない状態。詰まった印象。
軽く抜襟すると軽く羽織っているように見える。
えりと肩は見え方に密接な関係がある
くずしの使い方
しかし、ただくずしを使えば良いという訳ではない。
取り入れ方が重要で適正かつ適量で行うことでお洒落にみえる。
サイジングができているのが前提にある
ただ服をずらしルーズにパンツを穿き、オーバーサイズにしたのではただのだらしない人である。
やりすぎも良くないし、やらなすぎても効果はない。
他にもシャツの袖まくりやベルトのチラ見せ、帽子をずらしてかぶる等。自然なシワが入ったシャツを着る、色落ちのジーンズを穿く。
このあたりを全体のバランスに合わせ適量で行う事が必要。
シャツの裾見せ。しかもくしゃくしゃとシワを自然に使っている。
くずしの定番ともいえるシャツの袖まくり。このケースで袖まくらない場合多少の重さとカタさ(真面目さ)が残る。
以上がくずし。つまりこなれ感を出すための着こなし例。
適量を見極めこなれ感(くずし)を使いこなす。