ファッションにおける肩と服の関係について。
ここでいう肩とは「いかり肩となで肩」の事で、以前の自分はこれらを気にする事なく服を選んでいた。
自分の肩幅は少し広い方でなで肩ではない。このように漠然と思っており、かといってそれに合わせて服を選んだりする事はなかった。
しかし「好きな服を着ているのにしっくりこない」「定番服を選んだのに似合わない」このように感じるようになってからは、肩と服との関係性について気をつける様になっていた。
似合わないについての考察

今回はいかり肩となで肩について。それぞれに似合う服とファッションの関係性について確認していこう。
いかり肩なで肩とは?違いと見分け方について
まず、なで肩といかり肩とはどんなもので、どういった違いがあるだろう?
いかり肩とは?
まずはいかり肩について。
がっしりしていて力強い印象のいかり肩。
なで肩とは?
続いてなで肩について。
優しげで柔らかい印象を持つのがなで肩。
いかり肩となで肩の違い
そう、いかり肩となで肩はこんなにも印象が違う。
同じ肩幅の広さ(実寸)だったとしても、いかり肩であれば「強く」見え、なで肩であれば「優しく」見えたりする。
当然ジャケットやコートなどのトップスを羽織ったとしても見え方が変わるのが当然だといえる。
誰かがあなたの事をみて「堂々としていて自身がありそう」と言ったとする。それはもしかしていかり肩のしっかりとした印象をとらえて直感的にそう言ったのかもしれない。
それぐらい、いかり肩となで肩の違いは大きい。
なで肩といかり肩の見分け方
では、このいかり肩となで肩、見分ける方法はあるのだろうか?
実は鎖骨を見る事で大まかに判別する事ができる。
下記の参考図からそれぞれ確認が可能。
なで肩は身体の外側にいくにつれ鎖骨が下にさがっていくかたちをしており、いかり肩はその逆で身体の外側にいくにつれて上がっていく。
少し上がる程度が基準でそこから見分けることができる。
かくいう自分はいかり肩である事がわかった。なるほどどこか角張った印象の上半身で少しかっちりしたイメージがつきやすいのはこのせいもあるのかもしれない。
もちろん、どちらが良いかわるいの話ではない。いかり肩なで肩が持つそれぞれの特徴と雰囲気を知り、そのうえで服を着こなすことで楽しめる事も多いだろう。
いかり肩となで肩に似合う服と似合わない場合の着こなし
では、いかり肩となで肩それぞれに似合う服と似合わない場合の着こなし方についても見ていこう。
いかり肩に似合う服
まずはいかり肩に似合う服について。
いかり肩は力強く見える反面、威張っていないのに偉そうにみえたりする事がある。
肩が張りかっちりしすぎる印象を視線移動させて和らげる服が有効だと考える。
深いクルーネックと浅いVネック
Tシャツなどのカットソーであれば首が詰まりすぎたものは難しい。
クルーネック(丸首)だとしても首元が縦方向に深く開いたクルーネックであればよく似合う。
クルーネックとVネックについて

通常のクルーネックTシャツが多少伸びてきたとしてもいかり肩のかっちりしたん印象がだらしなくならず受け止めてくれるのは大きなメリットだろう。
反対にボートネックや横が広く開いたラウンドネックは苦手。
自分もバスクシャツが好きでよく着用するが少し首元がクタって縦に深い状態の方が馴染みがよいと感じている。
ボーダーシャツの着こなし

シャツはボタンを開ける
ボタンシャツを一番上まで閉めると肩が張り非常に目立ちつため窮屈に見えやすい。
縦のラインを強調するために前ボタンを適度に開けると緩和される。ゆったりめのサイジングやリラックスしてみえるデザインで選ぶのも良い。
ラグランスリーブと肩を強調しないアウター
肩との関係でもっとも印象を左右するのがアウター。
たとえばジャケットやコートであれば、肩パッドのないアンコンタイプであれば肩の張りが目立たない。
アウター全般は肩線が内側に入っているものを選ぶ事で柔らかい印象になるだろう。
そして、トップス全般でいえるのがラグランスリーブをセレクトする事。
ラグランの袖はクラシックなステンカラーコートや七分袖のベースボールシャツに代表される肩に切り替えがないものを指し、肩のラインを強調しない。
切り返しの縫い目ができるだけ腕側に下がっているドロップショルダーのアウターもいかり肩にとっては馴染みがよいだろう。
ラグランスリーブのスウェット

ヤーモのダスターコートはドロップショルダー

いかり肩が似合わない服の着こなし
ではいかり肩が似合わない服を着る場合どのように着こなしすればよいだろう?
例えば肩の縫い目がしっかり入ったセットインスリーブのいジャケットを着ていく場合。
トップボタンまでしっかり留めると少し窮屈な印象。
肩がかなり張った印象を蹴るだろう。
このような場合には前をジャケットの前は開けて着る事で視線が下に誘導され肩が張った印象は緩和される。
このように、前を開けやや肩を抜いて着用。柔らく自然なイメージで着こなす事ができる。
その他にも好みなのに使いづらく感じる服もあるだろう。
ことトップスにいたってはそこに肩が関係している事も多い。
楽しみながら着こなしを変えていくのもよいだろう。
なで肩に似合う服
続いては、なで肩に似合う服について。
なで肩は優しげに見える反面弱々しく見える事もある。だから肩にボリュームやポイントをつくる事が重要。
いかり肩と共通していえるのは肩以外に視線にそらすようにデザインを選ぶのも有効だ。
セットインスリーブと肩にアクセントがあるアウター
テーラードジャケットであれば肩パッドが入っていたり肩にデザインが入っていたりボリュームがあるものを選ぶと良い。
アウター選びとしてはセットインスリーブをセレクトするとよく馴染み似合う。
セットインスリーブは袖付け線そのままにつけられた袖を指し、最も一般的な袖の形、普通袖とも呼ばれる。
テーラードジャケットやウールコートなどではほぼこちらのセットインスリーブが採用されており、ややかっちりした印象。
いかり型の人が着用するとやや肩が張った印象を与えやすいがなで肩の場合はその逆で、優しく見えすぎる肩のラインをしっかり身立たせる事が可能。
他にも袖の縫い目ができる限り上部に寄っている物やミリタリーアウターやライダース等肩に飾りがあるものなどもよく似合う。
肩が落ちるような曲線的なデザインよりも直線的で横を強調しているものの方がしっかりと見せる事ができるだろう。
パーカ
なで肩の場合、スウェットパーカをはじめとするフード付きのトップスもよく似合う。
首元のフードに視線が集まり、肩部が目立たなくなる為よく馴染む。特に厚手にスウェット生地は肩にボリュームがありしっかりした印象を与える事ができる。
ZIPタイプのパーカであればしっかりと前を閉めて着た方がきちんとした着こなしとなりマッチしやすい。ジャストフィットのサイジングであれば尚有効だろう。
小襟のシャツ
シャツを選ぶのであれば小さい襟(小襟)のシャツがよく似合う。
大きな襟はなで肩を強調する為やや似合いづらい。小襟のシャツを選ぶことでそれを緩和しバランス良くみせる事ができる。さらには身体に沿ったジャストサイズを選ぶ事で肩のラインを強調し堂々と見せる事も可能となる。
なで肩のシャツ選びはジャストサイズ、小襟が有効。
ボートネック
そしてなで肩にん似合いやすい服としてはボートネック。
なぜなら舟型の襟元の開きが特徴的で、横のラインを強調するためである。
さらにいうとボーダー柄は横のラインを強調し、肩幅を広く見せる為非常に効果的。
ボートネックのバスクシャツやボーダーカットソーは鉄板といえるだろう。
重ね着
最後、なで肩の得意分野といえば重ね着。
1枚では物足りなく見える場合レイヤードでもボリュームを足したり、厚手の材を上に羽織るなどでバランスを自由にとる事ができる。
マフラーやストールの巻き物も有効で、厚手のものであれば首元に視線を集め、なで肩を目立たなくさせる事ができる。
まとめ
以上いかり肩となで肩について。ふたつの特徴と違い、着こなしについて触れてきた。
形状や性質が違うのだから同じものを着ても印象がかわるのは当然。
実際はそれでも好きだから着る。例えばジャストサイズだと肩がより強調される為ワンサイズ上を選んだりオーバーサイズから見つける事もできる。
カラーで似合うものを取り入れ馴染ませるのもひとつの方法だろう。
インナーで使う事によってよく馴染み、効果的に使う事もできる。
自分に似合う色の話(セルフチェック可)

このように見え方については知っていた方が有利。その上で好みものと組み合わせすれば尚楽しいものだと考える。
着こなしに重要なサイジングについての考察

おしゃれにおける肩と服の深い関係は非常に深い。
いかり型であれば肩にポイントが集中するのを避け、ゆったりもしくはオーバーサイズで着こなす。
反対になで肩であれば、肩がしっかり構築されたもの、もしくは首、肩まわりに装飾がほどこされたものなど得れんで行くのが楽しい。
ファッションにおけるいかり型、なで肩は非常に重要なポイント。さあ肩で服を着よう。ファッションの印象を左右する大きなポイントはここあった。