一生モノとは?
「一生モノ」
呼んで字のごとく。一度手にしたらずっと(一生に渡り)使えるものを指してこう言われる。
こういったものがあるならばぜひ欲しい。そう思っている。
しかし、本当にそんな服はあるのだろうか?
以前の記事で書いたが、服という服は必ず損耗し劣化していくもの。
服は消耗品なのか?
「服は消耗品」
少し冷めて聞こえるかもしれない。しかし基本的にはそのように考えている。
いや、「一生モノの服...
一生使える服があるのならばぜひ使っていきたい。
今回はそんなずっと着られる服と一生モノについて。確認していくことにする。
ずっと使える服と一生モノの条件
一生モノの服とはどんなものを指すのだろう?
それにはいくつかの条件があると考える。具体的にみていこう。
経年変化しながら長期的に使える
まずは変化しつつも長期的に使える事。
長期的に使用した物が、ただの劣化ではなく、風合いを出しながら魅力的に見える事がある。
経年変化と呼ばれるものがこれ。
わかりやすいものとしてはデニムの色落ちや革製品のエイジング。
ジーンズの色落ちについて
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アーペーセーのデニム(ジーンズ)は色落ちが良い。
これは今までに多く...
ワイルドスワンズの革財布について
財布が欲しい。
カジュアルすぎず綺麗すぎず、サイズは大きすぎず小さすぎず。エイジングだって楽しみたい。
そんな財...
リピートできる定番品
定番のアイテムであれば使い続け劣化したとしても同じものを購入し再び使う事ができる。
物理的に一生使えるというわけでは無いが劣化したり壊れたりしても繰り返し手に入り愛用できるものもある。
例えばコンバースのオールスター。多少の仕様変更があったとしても定番的に手に入り、使う事ができる。
皆さまのまわりにもひょっとしたらいるのではないだろうか?
コンバースオールスターしか履かない人。
流行や時勢にあわせシルエットを変えながらも定番たるリーバイス501も「リピートできる定番」にあたるだろう。
劣化しない
一切劣化しないもの。消耗品」についての記事でもあげたがファッションにおいて劣化しない素材はまず存在しない。
「服は消耗品」
少し冷めて聞こえるかもしれない。しかし基本的にはそのように考えている。
いや、「一生モノの服...
一部の化学繊維や金属ならばそれにあたるのかもしれないがそういった素材が使われる事はまず無い。
あったとしてデザインやコスト、加工しやすさの点から見ても難しいだろう。
例:アルミ素材の服・カーボン素材の服
コレクト品になる
使い終わった後でも鑑賞用として価値を見出し所有しているだけで満足が得られる状態。
想い出の品ならばそれだけでも十分だろう。流行のアイテムもここまでくれば一生モノ。
以上の条件。
「一生モノ」と言ってもその範囲はなかなかに広い。
一生使えるものとコスパについて
実は一生使える物だからといってコスパも良いという訳ではない。
一度買ってしまえばずっと使えるのだからコスト的にも良いのでは?と思ってしまう所だがそうも言えない。
ざっくりとした例えを。
例えば高級と呼ばれる本革靴を10万円で購入したとする。かたや安価な合皮の靴を5千円で購入したとする。
確かに高品質な革靴は履けば足のかたちに沿って馴染み、程よいシワを生み美しいエイジングを見せてくれる。
選び方さえ間違わなければ、磨り減ったソールを張り替え10年といわず20年、一生履き続ける事ができるだろう。(毎日履かない・雨に注意する等の使用環境に依存)
見栄えだって申し分ない。
一方、安価な合皮靴を1年に一度買い替えたとして20年で10万円。
実際には20年も同じ高級革靴を履けるかの問題もあるし、安価な合皮靴なら好みのものに気分で買い替えするのも容易。
気軽に扱えるためストレスがない。何より汚しても良い。
このように同じコスパの比較をしたとしても双方のメリットが全くもって違う事に気づく。
高価な物を買う事が一生モノを持つという事ではない
個人的には同じものを長く使っていく方が好みだ。デニムもレザーもじっくり質の良いものと向き合いたい。
しかし、一生モノ=コスパが良いと銘打つ商品やコピーには少し構えた方が良いと思っている。
高価なものを選び実際は数年後に飽きてしまってお蔵入り。これではせっかくのモノも浮かばれない。
一生の使うものは自分で判断し選ぶ事が必要。

自分にとっての一生モノ
先にあげた通り同じ一生モノといってもいくつかの条件に分かれる。
ある人が一生使える物だと言ってもある人にとっては該当しない。複雑な部分がある。
しかし、だから面白い。
少しづつ色落ちが進んでいくジーンズこそが美しく「一生モノ」として価値がある。
そう考える人もいればただの古着だと一蹴する人もいるだろう。
物の魅力というものは人が見出していくから意味がある。
自分にとっての一生モノ。それを見つけよう。